約 7,635 件
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/122.html
技芸類 【書】 せいおうぼしょ(西王母書)、しょじてい(書児啼)、にちじゅうろく(日十六)、こうかもんのりきし(皇嘉門の力士)、なのりのいんよう(名乗の陰陽)、がっぽうがったい、やまみずてんぐ(山水天狗)、もじのこもの(文字の小者)、さかさうろこ(逆さ鱗) 【筆】 ひつよう(筆妖)、ふでのたましい(筆の魂)、ふでおばけ(筆おばけ)、しのびふで(尻延筆) 【墨】 こくこう(黒蛟) 【硯】 すずりのめ(硯の眼)、にみょうそく(二妙足) 【文鎮】 ばけぶんちん(化文鎮) 【紙】 ちょかんし(豬肝紙)、くろいかみ(黒い紙)、よんしょくのかみ(四色の紙)、エイトのスペード 【書物】 こぶんせんせい(古文先生)、まきもののばけもの(巻物の化物)、ふぐるまようひ(文車妖妃)、ブック・ドライデン(Book Dryden)、ちょうもく(長目)、ひじ(飛耳)、しょりん(書凛)、いこもの、ようかんせい(瑶函精) 【帳簿】 【色紙】 みやびづか(雅図貨) 【文庫】 ぶんこぐり(文庫刳) 【案】 どんどけいけ(どんどけ池)、よじよんぷんよんびょうのつくえ(四時四分四秒の机) 【印】 どういんだいねつ(銅印大熱) 【時斗】 みょうにおそいびょうしん(妙に遅い秒針)、ろうこくたいし(漏刻太子) 【算木】 ぎょうさんぎ(仰三気) 【枡】 チョーバンユーリー(枡幽霊) 【秤】 ばけはかり(化け秤)、くちばかり(口秤)、かなふんどう(銕分銅) 【鋏】 うさはさみ、つめとり(爪鳥)、おおばざみ(大ばざみ) 【見台】 けんだいおばけ(見台おばけ) 【鉛筆】 えんぴつおばけ(鉛筆おばけ) 【黒板】 かってにうごきだすこくばんふきクリーナー(勝手に動き出す黒板拭クリーナー) 【電気】 こんでんき(魂電気) 【録像帯】 みてはいけないビデオ(見てはいけないビデオ) 兵器類 【甲冑】 よろいのみょうじん(鎧明神)、ぶぐのせい(武具精)、ぎんかぶとのかい(銀兜怪)、かぶといわ(兜岩)、はげかぶと(科頭冑)、しちめんどう(質面胴) 【鎧櫃】 でたらめびつ(嵬説櫃) 【盾】 かためのたて(固の盾) 【幡旗】 ひごしきはん(飛五色幡)、ぶきんはん(舞錦幡)、はたんちょう(幡ん貂) 【刀】 どうけんせい(銅剣声)、はざんけん(破山剣)、とうしょうか(刀生花)、へいきこう(兵器光)、たちのだいじゃ(太刀の大蛇)、さやまわりのふち(鞘まわりの淵)、しらっさま、あわたぐちやすつな(粟田口康綱)、たろうぼうのたち(太郎坊の太刀)、たろうぼうのつるぎ(太郎坊の剣)、かたなふり(刀降り)、エムシ、カムイタムメレ、かたなのかい(刀の怪)、こりのけん(狐狸の剣)、つるぎのおきな(乱刃翁) 【弓】 やしゃのしせき(夜叉の矢石)、やばのようかい(楊弓場の妖怪)、ルカニアイ、きりきりや(奇利奇利矢)、ピクシーアローズ(Pixie arrows) 【靭】 まもりのゆき(守の靫)、ふるうつぼ(古空穂) 【鎗】 ふるやりのせい(古槍精)、やりけちょう(鎗毛長) 【鉾】 ルカニオプ 【仗】 ぎじょうげ(儀仗花)、めのぼう(眼の棒) 【槌】 ゐのこづち(豕槌) 【的】 としせい(堵子精)、うづみまと(埋み鵠) 【馬具】 くらぶち(鞍渕)、かいくらぬま(貝鞍沼)、ばていのひびき(馬蹄響)、くらやろう(鞍野郎)、しゅげんたづな(修験轡) 【鉄砲】 さんしゅのたくせん(三種の託宣)、ゆるしのたま(許の弾)、てっぽうのひ(鉄砲の火)、ひまあらじ(隙間あらじ)、てっぽうしし(鉄砲猪) 【大砲】 おおづつふぐ(大筒河豚)、きゅうほうけんぴのたかね(弓炮剣火の高音)、あめあられなす(雨霰茄)、おおづつう(大砲痛)、 【飛弾】 かんげきミサイル(観劇ミサイル)、やまぶるかん(山ぶるかん)、アバンガルドおんな(アバンガルド女)、かいえんじゅんよく(海燕巡弋)、てっきゅうひょう(鉄穹豹)、こうきゅうとつ(鋼穹肭) 【爆裂弾】 おあぶおっかさん(おあぶ阿母さん)、 【軍兵】 せきそうへい(赤装兵)、せんずじてんのう(千頭持天王) 【軍船】 ちゃべんとう(茶弁当)、ワレテサンラン 【風艇】 あおひこうま(青飛行魔)、あかひこうま(赤飛行魔) 【仏智】 ぶっちやく(仏智薬) 【軍略】 づどっく(塗毒鼓)、さんちがい(算痴貝)、ひのきぶたい(火の気武台)、かんらくだ(陥落駝)、ツライ、はいソース(敗ソース) 【兵秘】 こんめいしゅくそん(魂命取朽損)、こんめいしゅりそん(魂命取利損)、あなうやしりえい(阿奈宇耶室利永)、 【毒器】 ルカニコイスル 【危械】 こくらおりきかい(国乱起危械) 詩画類 【和歌】 みねのさかき、やまほととぎす、すすきほ、あまてるかみ、みずのいろ 【詩歌】 しりんぶんちょう(詞林文鳥)、ひつかいそうぎょ(筆海藻魚)、つけくのしゅうねん(付句の執念)、そでじょ(袖女) 【霊画】 すごうがば(子昂画馬)、じきぎゃく(食瘧)、てんのうしゃのうし(天王社の牛)、えまのせい(絵馬精)、こほうげんのやなり(古法眼の家鳴)、にわとりのえ(鶏の絵) 【奇画】 はんほうひほう(潘芳飛鳳)、らいがのびょうぶ(雷画の屏風) 【画幅】 かけものいっぽんあし(掛物一本足) 【彫刻】 だいしどうのりゅう(大師堂の竜)、こじまのうし(小島の牛)、よなきからす(夜鳴鴉) 【骨董】 まんがんぶらり(万貫ぶらり) 嬉戯類 【囲碁】 れいだんぎょく(冷暖玉) 【将棋】 こびとじまのそとば(小人島の卒塔婆) 【双六】 ちょうぎょうしかい(長行子怪)、とうしかい(骰子怪)、さんみちこぞう(三一小僧) 【骨牌】 かるたのえども(骨牌の絵輩) 【博奕】 ばくちのようかい(博奕の妖怪) 【庭球】 てにすさあくるえもん(手荷洲早暁右衛門) 【相撲】 【生花】 ばけかびん(化花瓶)、へいかがに(瓶花蟹)、どぶのぼう(溷乃坊) 【謡曲】 とうがき(踏歌鬼)、うたいのせいれい(謡の精霊) 【陽具】 つのざいくのようかい(角細工の妖怪) 【独楽】 こまものや(独楽物屋) 【紙鳶】 てんぐさん(天狗さん)、おおだこのようかい(大凧の妖怪) 【剪紙】 しちにんぼうず(七人坊主) 【手遊】 べろべろのかみ(べろべろの神) 【胡鬼板】 はねおばけ(衝羽おばけ) 【電脳】 ツナカユリコ 戯楽類 【木偶】 おんくろう、ぎおん(祇園)、しし(獅子)、あずきどうじ(小豆童子)、はちえもんにんぎょう(八右衛門人形)、あさがおにんぎょう(朝顔人形)、ばけにんぎょう(化木偶) 【泥偶】 でいびじんかい(泥美人怪)、としおう(兎子王)、まさかどどぐう(将門土偶)、つきみうさぎ(月見兎)、はだかんぼうのにんぎょう(裸坊の人形)、ほうそうのかみ(疱瘡の神) 【手遊】 しろだるま(白達磨)、たいりょうだるま(大漁達磨) 【土笛】 はとぶえ(鳩笛) 【土鈴】 むしきりのすず(虫切鈴)、かいこすず(蚕鈴) 【舞戯】 ぶぼく(舞木)、げほうのおどりこ(外法の踊子)、てんぐのおどりこ(天狗の踊子)、おにのおどりこ(鬼形の踊子)、おどりもどり(踊里戻裡) 【幻戯】 しおやのちょうじろう(塩屋の長次郎)、かしわやでんはちろう(柏屋伝八郎)、ようろうもものすけ(養老桃の輔) 【弄丸】 しなだま(品玉)、おにいちあせん・あめん(鬼一亜線・亜綿)、 【球棒】 バットのおと(バットの音) 【足芸】 たきかわみかん(滝河魅かん)、 【昔話】 いしいぬらしゅく(石井奴懶叔) 【幻灯】 すみだがわとふく(墨陀皮都蝠) 【拵物】 みせもののようかい(見世物の妖怪) 楽器類 【音楽】 ちこくのね(治国音)、ぼうこくのね(亡国音)、よんばんのふたご(四番の双子) 【太皷】 たいこのばけもの(太皷の化物) 【鼓】 はいこせい(敗皷精)、おとなしのつづみ(無音鼓)、ばけつづみ(化大鼓)、 【笙】 しょうおんのしょう(商音笙)、しょうさんみ(笙三位) 【笛】 さがりはのふえ(下破笛) 【鐘】 びゃっかくかんしょう(白鶴観鐘)、しょうせいどう(鐘青童)、さいだいじのかね(西大寺梵鐘)、てんりゅうのぼんしょう(天竜の梵鐘)、せんこうじのかね(千光寺の鐘)、あねのかね(姉の鐘)、いもうとのかね(妹の鐘)、どちゅうのかね(土中鐘)、かねのかい(鐘の怪)、ごんさい(鐘妻)、 【鈴】 がくきょうよう(楽橋妖) 【磬】 けいのばけもの(磬の化け物) 【木魚】 もくぎょのばけもの(木魚の化物)、もくぎょこうのようかい(木魚講の妖怪)、もくまいす(木昧須) 【鰐口】 わにぐち(鰐口) 【銅鑼】 ほうら(宝鑼)、どらたたき(銅鑼敲) 【銅盤】 にゅうばちぼう(乳鉢坊)、みょうはちのばけもの(妙鉢の化物) 【鐸】 ていちゅうこうかい(庭中光怪) 【琴】 つきみやぐらのかい(月見櫓の怪)、ことびきとうげ(琴引峠)、 【琵琶】 こはくしせい(琥珀詞精)、びわぼくぼく(琵琶牧々) 【三絃】 しゃみちょうろう(三味長老)、ヌチドウかいじょう(命取開鐘)、ちりからかっぽん(散唐活本)、せふいろす(背扶居楼巣) 【喇叭】 【洋琴】 ピアノゴースト(Piano ghost) 祭器類 【霊像】 あくぞう(悪像)、びょうき(廟鬼)、ろこうきょうしし(盧溝橋獅子)、ほうそうとうかい(方相頭怪)、ていらんぼ(丁蘭母)、きんじん(金人)、えんおうぞう(閻王像)、でいがいかい(泥孩怪)、でいば(泥馬)、えいせきば(塋石馬)、せきじゅうかい(石獣怪)、ひとつもの、ひろいもくぞう(拾木像)、みのをきたおおおとこ(蓑を着た大男)、さけかいみろく(酒買弥勒)、なわしろこぎぼうず(苗代こぎ坊主)、におうさま(仁王さま)、こくいにおう(児喰い仁王)、にかり(仁加利)、きたきたぼとけ(きたきた仏)、ばけほんぞん(化本尊)、なすのがはらのくろぼとけ(那須野ヶ原の黒仏)、にらみあいぼとけ(睨合仏)、ぎんのだいこく(銀の大黒)、びんぼうだいこく(貧乏大黒)、じぞうどうのこおに(地蔵堂の小鬼)、ぬりぼとけ(塗仏) 【魔像】 リリス(Lilith) 【埴輪】 ちゃんこはにわ(ちゃんこ埴輪) 【獅頭】 いんきょじし(隠居獅子) 【偶子】 とうじん(桃人)、おさるさま(御猿様)、おにこのにんぎょう(鬼子の人形)、でじんつだるま(大神通達摩)、でっころぼう(偶子坊)、にんぎょうばたけ(人形畑)、みっつめだるま(三ッ目達摩)、えんまつにんぎょう(塩末人形) 【霊馬】 わらのうま(藁の馬)、はなうま(花馬) 【華表】 おちへんがく(落扁額)、くろうのとりい(苦労の鳥居)、いきたとりい(生きた鳥居) 【霊符】 ちゅうてん(虫天)、ふかい(符怪)、くぎぬきねんぶつ(釘抜念仏)、くちのおに(口の鬼)、ふだへがし(札剥し)、いちぜんめし(一膳めし)、なきむしサラマンドラ(泣虫サラマンドラ) 【御幣】 ほうへいたおし(奉幣倒)、ひびしゃのはい(ひびしゃの灰)、さるごへい(猿御幣)、へいろく(幣六)、ようせいま(妖精麻) 【仏幡】 くうばん(空幡)、ばんにかお(幡に顔)、ばけぶつはん(化仏幡) 【誓文】 やくそくかたきばけもの(約束かたき化物) 【奉加】 おまつりのようかい(御祭の妖怪) 【数珠】 【如意】 【払子】 ほっすもり(払子守)、もくじい 【経典】 かんのんきょうのへび(観音経の蛇)、きょうじくちょう(経軸蝶) 【香爐】 はいのやみ(灰の闇) 【袈裟】 いちるけさ(一縷袈裟) 【法具】 どくろし(髑髏枝)、あめほうぐ(雨法具) 【呪具】 くとうかん(狗頭官)、にんぎょうのぼうさん(人形の坊様)、よつもか(四もか)、 【棺桶】 きふ(鬼婦)、かんばんかい(棺板怪)、やまだのさかのかんおけ(山田坂の棺桶)、かんおけおき(棺桶置) 【位牌】 トートーメーマジムン 【墓石】 こいしめいじん(小石名人) 【宝塔】 あんねんとう(安然塔) 【銭眼】 きんせんがん(金銭眼) 【卒塔婆】 じごくざわのたかそとば(地獄沢の高卒塔婆)、とばくのしちほんぼとけ(賭博の七本仏)、そとばのかしら(卒塔婆の頭) 【梵字】 ぼんじ(梵字) もどる
https://w.atwiki.jp/jizoproject/pages/26.html
06/09/20 地蔵ミーティング(蔭山) テストです。 今日は、谷本、中村、穴風、蔭山の4人です。 ウィキ勉強中。 中見出し 谷本 中村 穴風 谷本 中村 穴風 谷本発言 06/09/20 地蔵ミーティング(谷本書き足し) 06/09/20 地蔵ミーティング(穴風見解) 谷本発言 谷本発言はおかしいよ。
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/376.html
9月○日 明日から、しばらく上京する予定である。 今回の目的は、友人シリウスの結婚式。あとはアキバ散策と、いつもの連中で飲み会。 アキバの買い物資金とご祝儀に金がかかるので、宿代を浮かす為に須藤の家に 泊めてくれと電話したら、「いいよ、狭いけど。」と気軽に言ってくれた。 相変わらず気のいい奴だ。思えば、親父が倒れてから、こっちで家業の造り酒屋を継いで、 生活が軌道に乗るまで、須藤が餞別に返してくれたガンバスターが心の支えだった。 今では実家の仕事もそこそこ上手くいき、少しずつロボットを買い戻すことも出来るようになり、 たまに上京して、アキバをぶらついたり飲み会に出たりする余裕も出来た。 田舎に戻って半年ほどは、親父もお袋も弱っていて金銭的にも精神的にきつかったが、 大学を出てからずっと自由にさせてもらった親孝行だと思って頑張った。 今ではあの苦労も俺の人生に必要だったのだろうと思う。 そういえば須藤も、俺が帰郷後、しばらくおかしかった時期があった。 人間、気楽に生きているように見えても何かしら悩みを抱えているものだ。 何があったのか今もよくわからないが、突然夜中に泥酔して電話してきて 「ケロ山ー。俺は寂しいぞー、俺たちは離れていても友達だよなー」などと言い出すので、 なんか悩みがあるなら話せ、と促したら、「ハヤシライスが二個」とか「プッチーニがどうのこうの」と、 わけわかめなことばかり言って要領を得ない。 一体、イタリアのオペラ作曲家が須藤に何の関係があるというのか。 酔っぱらいの戯言を、理解できる範囲で整理すると、ひょんなことで知り合った友人がいて、 仲良くやっていたのだが、自分がその友人を裏切るようなことをしてしまい、でも相手は許してくれて、 また仲良くやっていけると思っていたのに、そのうちなんとなく連絡が途絶えて、 ばつが悪くてこっちからは連絡できない、というような話らしい。 「そういうことはよくあるよ」「お前が悪いわけでも相手が悪いわけでもないよ」 「縁があればまた会えるよ」などと慰めたが、 そうかなあ、いつか会えるかなあ。と鼻声になっている。泣かれたらどうしようかと ちょっと困っていたら、突然「強盗のごとーさん」「ZIをよこから読むとNHになるって 知ってた?」とかわけのわからんダジャレを言い始めてバカ笑いしだした。 そのうち、笑いながら泣き出したようで(恐れていたとおりだ) ぐずぐず鼻を啜りながら、「ケロ山一緒に歌おう!マックス友情パワーのために歌うんだ!」とか言って 電話口で歌いだす。 おいおい、今何時だと思っているんだよ。 いくら酔っているとは言え、こいつの変なテンションにはついていけない。 (まあ俺たちヲタクは一般人から見ればいつもおかしなテンションらしいが。) この飲んだくれ野郎、早く寝ろよ、と言って電話を切った。 それがたしか3年くらい前の話。 最近の須藤は、たまに電話をしても落ち着いているので、たぶん、問題は解決したか自分の中で 吹っ切れたのだろう。 (奴の落ち着いた状態というのはマックスマックス言ってる状態ということなのだが。) 9月△日 新幹線で東京駅に着いたら、いつものメンバーが駅まで出迎えに来てくれていた。 シリウスはアメリカで出会ったという嫁さんの写真を持参して、俺らに自慢しまくる。 「伴侶を得るのは心穏やかなる良いものですぞ。おぬしらも早く妻を見つけるように。」 相変わらず流暢すぎる日本語で説教しやがった。苦笑しながら微笑ましく聞いていた。 しかし、考えてみると俺らも三十路間近だ。いくら結婚適齢期が高年齢化してるとはいえ、 また親父の容態が悪くなるかもと考えると、さすがに焦る。 ロボットで遊んでいる場合じゃないかもしれん。 地底元帥は長年同棲している彼女がいるし、霧丸の仕事場は女性が比較的多いから 出会いの機会もあるだろうが、アキバの電気屋勤務の須藤は努力しないとヤバイだろう。 当然、自営業の俺も他人ごとではないのだが。 喫茶店でだべっている時に「最近、合コンどうよ?」と須藤に聞くと 「うーん、もう合コンとかに興味ないんだよねー」などとノンキそうに言う。 じゃ、テレクラか、出会い系にでもはまってんの?と聞くと、そういうのももう興味ない、という。 こいつ、ついに人生諦めたのか、それとも二次元に走ったのか? 「実は俺、真剣に好きな人がいる。最近、ちゃんとつきあいはじめた」 いきなり奴が真顔で言い出した。 「マジで?どんな人。職場の子?何歳?」とたたみ掛けて聞くと 「高校生。17歳。」という。 地底元帥が、「お前、まさか俺の嫁は長門有希とか言い出すんじゃないだろな!」と須藤の襟首を掴んだ。 「ち、違うよ!」 「じゃあ俺の嫁は桃山チャコとか、セイラさんとか言い出すってのか!おい!」 「二次元に恋をしても不毛ですぞ!」 「気持ちは分かるが、現実を見つめないと!」 俺らは哀れむような目で須藤を見つめた。 「違うって!現実の女の子で、最初は友達だと思ってて、でも最近自分が本気だって自覚して、 そしたら相手も俺のこと好きでいてくれたってわかって…本当の話だってば!」 「参考までに聞くけど、その子可愛い?」 「正直、すっごく可愛い。それに彼女、七色の声を使いわけるスパイなんだっ!!」 こりゃ駄目だ。決定的だ。 「須藤…それなんてエロゲ?」 「とうとう妄想と現実の区別がつかなくなったのか。可哀想に…」 「いい心療内科があるから紹介するよ…」 「うんうん、そういう病院に行くのは恥ずかしいことではありませんぞ」 「え~!どうして信じてくれないの~?本当だってば~」 須藤が本気で主張すればするほど、俺らの心配は増す。 「お前、今日は先に帰って休め」と強引に帰宅させた。 その後飲み屋で緊急会議を開き、俺が上京している間に須藤を病院に連れていくことに決定した。 「まさか須藤があんなことになっているとは…」 「私の婚約のせいで焦って妄想に走ってしまったやも」 「シリウスのせいじゃないだろ。元々あいつ気が弱くてドリーマーな所あったし」 「ご両親には連絡しなくていいかねえ…?」 俺は足取り重く、勝手知ったる須藤のアパートに向かった。 須藤はもう床に毛布を敷いて寝ていたが、俺が部屋に入ると顔を上げて 「ケロ山ー、お前ベッド使っていいよー」と言った。 こうして見るとこいつがぶっ壊れているとは思えない。いつも通りの気のいい男だ。 しかしまた強い口調で「それから。さっきの話、本当なんだからな!」と言いだした。 俺は心底須藤が哀れになり、暗い気持ちになった。 9月□日 今日は、久しぶりのロボット会議を須藤の家でやった。 結婚式を明日に控えたシリウスは来れなかったが、残りのメンバーで自慢の逸品を持ち寄り、 コレクター魂が久々に騒いだ。 須藤は昨夜の妄想っぷりは見せず、普通にまたマックスマックス言っていた。 みんな気を使って須藤の「彼女」の話には触れない。 「あれ、花が飾ってある。マメだねえ~」霧丸が意外そうに言い出した。 机の上に可愛いリボンが巻かれたハピネス牛乳の空き瓶があって、コスモスの花が差してある。 「あーそれは、庭で綺麗に咲いたって、俺のかのじょ…」 「さて!そろそろ土産の地酒でもあけますか~!」 「おー。待ってました!酒屋の息子!」 「いいねいいね!やっぱ会議のあとはこれだよね!」 「ねえねえ聞いてよ。コスモスの花言葉って『少女の純真』っていうんだって、俺の彼女にぴったr…」 「そうだ、コスモスといえば、ゼノサーガだよなー!」 「うんうん!あれは面白かった!」 「いやいやアンドロイドものならやっぱり『トップを狙え2』の方が」 「ねえちょっと、なんでみんな俺の話を聞いてくれないの?」 「須藤、おまえ腹減っただろ?酒もあるし焼き肉パーティーでもしようか!」 「おれ出資するからさ、買い出し行こう。お前いないとここらへんの店わかんないしさ」 「そうそう それがいい!!」 強引に俺は須藤を買い出しに連れ出した。 俺は、話を切り出すなら今だと思い、おそるおそる言った。 「あのさ、お前って一見のんきそうだけど、実は昔から結構ナイーブなところあるよな。 だから生活に疲れて、夢を見るのは分かるんだ。でも、夢は夢だからさ。 俺、つきそってやるから、一緒に病院に行こう? な?」 「まだそんなこと言ってるの。現実の話なのに。俺の好きな人はスパイで高校生で、超可愛くて、 七色の声が出せて、人混みの中でも声を聞き分けられるんだよ!本当に!」 「須藤、頼むからしっかりしてくれよ。親友のお前がそんなだと俺、辛いよ…」 「もういい!今から本当だって証明するから!」 奴は携帯を取り出し、どこかに電話をかけ始めた。 「もしもしニコ? うん俺。夕食もう食べた?良かった、今から焼き肉パーティーするから来ない? 友達が来てるんだけど。うん、前に会ったことあるかも。お歯黒女の時。 うん、うん。 あ、次の任務?一億円の?よっちゃんが?この前の謎の怪人はどうなったの。 えーそうなんだ!じゃあ、明日は無理だから明後日会社の帰りに地蔵堂に寄るよ。 あと、この前のマックス発信器、あれ失敗みたい、うん、またいじってみるけど。 んじゃ、後でね」 なんとなく非現実的な単語が飛び交う電波な会話に俺はガクブルしていた。 一体どこの誰に電話をかけたんだ…? 30分後。 アパートのドアをノックする音がする。ガラス戸の向こうには、確かに人影が見える。 「来た!」須藤は満面の笑顔でドアを開けに行く。 「キターーーー!」俺達は得体のしれない恐怖におののく。 すると。 なにやら未確認の生物が飛び込んできた。 「こんばんはー」 「えーとね、この子がニコだよ。ニコ、この人達は俺のロボット友達でケロ山、地底元帥、霧丸だよ」 「林二湖です。よろしくお願いします」 俺たちはぽかーんとして須藤と未確認生物を交互に見た。 高校生だというけれど、電車でみかける女子高生より初々しい感じで、今時めずらしく髪も染めてない 清純そうな子だ。 美人というより童顔の可愛い系の顔立ちで、目が印象的。 「ロボ、おみやげに果物持ってきたよ」 彼女は須藤の顔を見上げて微笑んだ。この笑顔はやばいだろう。 「須藤…。な に こ の 可 愛 い 生 き 物」 「だから、俺の彼女だって。」 「妄想じゃなかったのかー!実在したのかー!?」 「昨日からそう言ってただろーが!」 「あれ、彼女、昔この部屋で会ったよね? シリウスがブライガー原型持ってきた時! なんか中学生くらいの女の子が遊びに来てた!あれキミでしょ!?」 「マジかよ!俺ロボットに夢中で全然見て無かったっ!」 「須藤、お前という奴は中学生を部屋に連れ込む隠れロリコンだったのかぁぁぁぁ!」 地底元帥が須藤にヘッドロックをかけはじめる。 「あががが、違うー! やましい気持ちは無かったんだってばー!」 「あのぉ、その頃ロボが好きだったのはあたしの姉だったんです、あたしたちはいい友達で。 本当にロボには下心とか無かったですから」 「でも今は? 今は須藤はニコちゃんが好きで、ニコちゃんも須藤のことが好きなの?」 「今は…そう、です」 俯いて少し赤くなっている。萌え。須藤め!憎らしい! 「須藤、お前と言う奴はなんでそんな羨ましい立場にぃぃぃぃ!」 また地底元帥がヘッドロックをかけはじめた。 「あががが、やめて、死ぬ!苦しい!死ぬってばー!!」 苦しんでいる須藤のことはあまり気にせず、ニコちゃんはさっさと台所に行き、 手際よく野菜を切ってザルに盛りつけ、持参のリンゴも剥いて持ってきた。 「あのー そろそろお肉焼かないと悪くなっちゃうし、みなさん食べませんかー?」 「あ、そだね」 「いただきマックス♪」 須藤がヘロヘロになっていても意に介さず、勝手に肉を焼きはじめる彼女。 ……結構、たくましい娘かもしれない。 「ニコちゃん、スパイやってるって本当なの?こいつの妄想じゃなくて?」 「あの、スパイというか探偵というか、そんな感じの仕事を…。 あたし、わりと耳が良くて人の声を聞き分けられるので、本業の人から頼まれるようになって…。 ロボも機械とか作るの得意だし、あたし一人だと危険な時もあるので、よく一緒に組んで 仕事するんです。でも、一応これは内緒にしてて下さい。スパイなので」 「そっかー 本当だったんだ。よかった、須藤が妄想でおかしくなったんじゃなくて」 「なんで俺の言うことは信じなかったのに、ニコの言うことだとすぐ納得するんだよぉ~」 「うるさい!美少女スパイと一緒に仕事だとぉ、なんだそのドリーミーな状況はぁぁぁぁ」 「あががが、なんで攻撃するんだー!助けてー!」 9月#日 今日はシリウスの結婚式だ。教会式なのに、日本かぶれの奴は紋付き袴で決めていた。 着物の黒が浅黒い顔色に意外に似合っていて、なかなか立派な花婿ぶりだ。 嫁さんは日系アメリカ人でシリウスに負けないくらい日本語に堪能で、明るい性格らしく、 二人そろって笑顔の絶えない、幸福そうないい式だった。 「うっうっ よかったなあ。シリウス」 俺の隣で須藤が泣きじゃくっている。新婦の友達にはもらい泣きをしている娘も何人かいたが 新郎側で大泣きしているのはこいつ一人なので、目立ってしまってちょっと恥ずかしい。 「いーかげん泣きやめって。友達の結婚式でそんなんじゃ、自分の時どうするつもりよ、お前」 「自分の時かあ…、俺、本当に結婚出来るのかなー」 「何言ってんだよ、ニコちゃんと真面目に付き合ってんだろ。俺らもいい年だし、 いずれはそういう話も考えてるんだろ」 須藤は泣くのをやめて、何か考えながらポツリポツリと言い出した。 「そりゃ俺はそうしたいよ。でもそれって俺だけが考えてる幸せの形じゃん。 ニコの考えてる幸せの形は、違うのかもしれないし。 まだあの子17だよ? これからどんどん新しい出会いもあって、環境も変わる時期でさ」 「弱気だな。どーしたのよ」 「俺の幸せの形を押しつけるのは、執着であって愛じゃないんだよ。 昔、それで一度大間違いしたんだ。二人の女の人と、俺自身の人生を目茶苦茶にするところだった。 …ニコがいなかったら」 「なんだそりゃ?重そうな話だな」 「お前に言ってなかったんだけどさ。短い間だけど女の人と同棲してたことがあったんだ。 看護師で、いつも背筋をまっすぐ伸ばしてた、年上の人」 初めて聞く話で正直驚いた。しかし、昨日の須藤の妄想が真実だったのがわかった今、何を言われても 信じてやることにした。 「その女性が或る理由で犯罪を…人を殺そうとした時、愛する人の行動だからって、全て受け入れて、 見過ごそうとしたんだ。俺は愛の意味をはき違えていた。 ターゲットの人のことも知ってたのに、見殺しにするところだった。でも、ニコが目を 覚まさせてくれた。ニコがいなかったら、俺、一生償い切れない十字架を背負ってたと思う。 あの子は俺の恩人なんだよ」 須藤は遠くを見つめて、何かを思い出していた。 「本当に愛していたのなら、嫌われても、罵られても、たとえ自分が殺されてでも、 彼女を止めるべきだった。俺にはそれが出来なかった。 たぶん、彼女は心のどこかで誰かが止めてくれるのを待っていたのに。 俺は、彼女を止められないのは正義の心よりも愛が勝ってしまったからだと思った。 それは全然間違っていた。愛じゃなくてエゴが勝ってしまっただけだ。 その時、ニコが俺のかわりにみんなを救ってくれた。そして、何も出来なかった俺を許してくれた」 「その女の人とは?」 「すぐに別れた。止められなかった時点で、俺には彼女を追う資格はなかったから…」 俺は、須藤がおかしくなっていた時期のうわごとを思い出していた。 わけのわからない単語の羅列と思っていたのが、少しずつ須藤の言う「事件」の形に当てはまっていく。 「あの時ニコは、たった14歳の中学生で。全てを背負ってたんだよ。 あんな子、世界中で他にいない。 俺にとってはなによりも大事な存在だよ。だから、だからこそ、」 須藤は泣きだしそうな笑いだしそうな何とも言えない表情をした。 「もしもニコにとって、俺の側にいるよりも幸せなことがあるなら、自分が傷ついても 俺は離れると思うし、もしニコが道を間違えたら、恨まれてもいいから全力で止める。 それが本当の愛ってやつでしょ?」 「おまえ大人になったなぁ」 「実際、俺たち音信不通だった時期もあったんだ。結構長い期間ね… 理由は今でもよくわかんないんだけど、たぶんその間はニコにとって 俺と会うよりも大事な何かがあったんだと思う。 ニコがそう思うなら、俺はそれを受け入れることにしてた。正直ちょっと寂しかったけど。 年齢的に、あまり俺たち一緒にいない方がいいってある人から忠告されたし…。 だから今はまた出会って、気持ちが通じ合った奇跡を本当に大事にしたいと思う。 それ以上望むのは、贅沢かもな」 須藤は照れ笑いをした。 「なーんてカッコつけたこと言ってるけど、本当はシリウスが超羨ましいんだよ! あー、ニコの幸せと俺の幸せが同じだったらいいのに!違っていたら、へこむどころじゃないよ」 「大丈夫だろ」 「へ?」 「女の子ってのはな、お前なんかよりよっぽど精神年齢が高いんだよ。 お前が今頃考えてるようなことは、中学生くらいの時に一通り考えずみだよ」 「そういうものなの?」 「一度離れた時期があるってことは、惰性で一緒にいるんじゃなくて、 お前と一緒にいることを改めて選択したんだよ。お前の弱い部分も全部お見通しでな。 だからきっと大丈夫」 「そーかな、そうかなぁ~」みるみる嬉しそうな顔になる。ちょっとうぜぇ。でもこういう所が 須藤のいいところなのだろう。 「そのかわり!相手は賢いんだから「こいつ人間的に許せない」と思われたら、 シビアにすっぱり切られるぜ」 「それはぜっったいやだ!俺頑張りマックス! 人間的にダメと思われないように頑張るよ!ありがとな、ケロ山」 須藤は暑苦しく両手で握手を求めてきて、ぶんぶん振り回した。 まあ、こいつって正直、社会人としては、不合格スレスレの最低ランクなんだけど 人間としては最上級だと思う。だからちょっと悔しいが、あの子と一緒に、 自分らしさを持ったままで同じ方向を二人で見つめていられるような、真の幸福の形を 見つけだすだろうなと思う。 コンチクショウ。俺も愛が欲しいもんだ。 9月*日 「会社があるから、見送りできなくてごめんな」 「いいって。世話になったな。ニコちゃんによろしく。 それから、あのさ…昔お前にやった例の勝負服、悪いけど返してくれる?」 「え、そりゃ元々お前の服だからいいけど、サイズが合わなくなったって言ってなかった?」 「あの服がまた着れるようにダイエットするんだよ!んで、俺もロボット以外の 愛を見つけんの。お前に負けてられないっての!」 須藤はにやっと笑って鼻の下をこする変なポーズをした。 「そっか。がんばれよ!俺にもあの服は効果あったし。ちょっと違う形だったけどさ」 「正直、シリウスに先を越されてもそんなに焦んないけど、お前に先越されたから めちゃくちゃ焦ってるわけよ」 「え~。なんでだよ~」 「まあ、お前も上手くやれ。あの子の周りの男どもがハタチくらいになった時、 俺ら30だろ。大人の魅力って奴を身につけてないと、負けるから」 「うん、そうだな」 「あんな可愛い子、周りの男どもが放っておくなんて、まさかお前思ってないよなあ?」 「う、あんまり脅かさないでくれよ~」 面白いので、俺は須藤をさんざんからかって、ちょっとだけ本気で励ましてやって、帰路についた。 新幹線の時間までアキバをぶらついて、ロボットをいくつかゲットして、田舎に戻ると、 俺がいない間に実家は大変なことになっていた。 臨時の大量注文が入っていてパニック状態。幸い、商品の酒のストックは倉庫にそろっていたが ラベル貼りや梱包が間に合わない。 「すみません、ケロ山さんはお休みだって聞いていたんですけど、どうしてもって急なお客さんがいて、 本当に無理を申し上げて。お得意さんなので断れなくて…」 いつもうちの酒を卸している小売り店の女店員さんが駆けつけて、何度も頭を下げて出荷作業を 手伝ってくれた。 でもあの店、俺と同い年くらいの女性の店員さんなんて、いたっけ? 「いいっすよ、それだけうちの商品を気に入って貰えるなら、光栄なことっス」 「良かった、ケロ山さんなら大丈夫だって父から聞いてたけど、本当に親切な方で助かりました。 私、最近この仕事始めたばかりで、いろいろ至らなくて。東京からのUターン組なんですよ」 「マジですか? 俺も3年前にUターンしたんですよ、東京のどこに住んでたんですか?」 「吉祥寺です」 「俺、西荻だったんですよ。近所じゃないですか」 忙しく手を動かしながら、彼女といろいろ話をした。 新宿の会社でOLをしていたら会社が急に倒産してしまい、 求職中に実家から手伝って欲しいと言われ、迷ったけれど戻ってきたこと。 休日は井の頭公園でよく散歩をしていたこと。西荻窪の美味しいラーメン屋さんのこと。 仕事をはじめてからお酒の味がわかるようになってきたこと、映画が好きだということ。 おそるおそるロボットアニメの話をしたら「私、ガンダムの再放送見てましたよ。 大人が見ても、結構面白いですよね。」と言った。良い人だ。 気がついたら来週、一緒に食事をする約束を取り付けていた。 特に美人ってわけじゃないけど笑顔が気持ちのいい人で、俺はものすごく疲れた筈なのに心は ものすごく浮き立っていた。 「ガンバスターよ。俺にもついに春がめぐってきたぜ!」 やっぱあの勝負服は威力あると思う。 もしも。もしも彼女と俺がゴールインなんてことになったら。 また須藤のバカは恥ずかしいくらいわーわー泣くんだろう。 あいつがどれだけ空気を読まない行動をするか、考えただけで頭が痛い。 その頃には、あの若いけどしっかりしたニコちゃんが須藤の側にいて、面倒見てくれるといいんだけどな。 あいつ、さっさと上手くいっちゃえばいいのに。 そうしないと、おちおち幸せにもなれやしないっての。 ************************ 終わり
https://w.atwiki.jp/zsphere/pages/249.html
汗流地蔵 崇徳院地蔵
https://w.atwiki.jp/oreshika_psp/pages/106.html
四ツ髪は壱与姫で体力を全回復するので魂寄せ戦法推奨 -- (名無しさん) 2011-11-20 18 35 17 四ツ髪にて魂寄せ戦法で相手の技力0にしたら陽炎&石猿最大まで積んだのにやたら物理攻撃を喰らう&なんか最初より威力が高い気が……気のせいか その時は竜神刀で眠らせて倒した。 -- (名無しさん) 2011-11-21 20 16 00 PSP版はPS版に比べて陽炎の効果が下がっているらしいです。 最大重ね掛けしてもPS版ならほぼ食らわないのがPSP版だとたまに当たるとか。 このサイトの「旧作との違い」にもあります。 威力は・・・気のせいか、ターン経過で補助術の効果が下がるんでそのせいかと。 -- (名無しさん) 2011-11-21 21 29 51 補助術は4~5ターン程度で効果が切れるはず 眠りが効くみたいだから、魂寄せの合間にくらら挟むのもいいかもね -- (名無しさん) 2011-11-22 22 26 21 四ツ髪 3500/51/900/900/900/2600 壱与姫 捨丸中 1300/150/650/900/580/1300 円子、春菜 -- (名無しさん) 2011-11-25 01 32 28 四ツ髪の技力枯渇させると壱与姫使う時に代わりに単体攻撃をしてくるようです。 その単体攻撃は一列攻撃よりも威力が高いのでくららで眠らせること推奨。 -- (名無しさん) 2011-11-26 12 49 56 大江の捨丸を開放すると、恨み足・左右カイナが以降出現しなくなります。 継承刀の強化に使う際には注意。 -- (名無しさん) 2011-11-27 15 35 37 黒鏡って誰で取れますか? -- (名無しさん) 2011-11-27 23 14 42 四ツ髪のスロットにて鬼切り丸確認 -- (名無しさん) 2011-12-04 20 56 33 大江の捨丸のスロットに「秘剣月喰い」確認。 赤い火でようやく入手…ついでに大甘露と煩悩砕きも -- (名無しさん) 2012-01-15 08 43 07 普通に石猿MAXかけ+奔ピンMAXかけで 悶絶+両断殺で合計3500超えて終了 あっけなかった・・・ -- (名無しさん) 2012-07-08 17 41 42 どちらかというと朱塗りの胴とか呪いグッズは 交神の儀の時の待機組、留守番組の術習得のため というファクターの方が大きいような・・・・。 -- (名無しさん) 2014-06-17 13 56 32 むしろ捨て丸強くて髪まで行けない -- (名無しさん) 2015-06-09 16 04 18 冥土みやげから速鳥がでました -- (名無しさん) 2023-08-02 01 54 37 捨丸さんは火葬すると楽ちんだった 前半なら花連火か花乱火の併せ、後半なら不動明辺りを併せて燃やす 状態異常が来なければほぼ一撃まで行けた -- (名無しさん) 2023-08-19 00 22 46 四ツ髪は実質、赤火でも草薙ノ鋒か鬼切り丸の二択だな、何度やっても同時に出ることはない。どっちも薙刀と剣で最強なのでつらい。まぁ剣士は継承刀あるけど育ちきるまで鬼切り丸欲しい。そういう問題じゃなく武器コンプ目指してたのに… -- (名無しさん) 2023-11-10 16 19 46 ↑すみません、翌年の白骨城解放時の四ツ髪戦で両方同時に出ました。単に運が悪かっただけのようだ、ガセになってごめんなさい -- (名無しさん) 2023-11-11 16 21 55
https://w.atwiki.jp/inazumago2cs/pages/26.html
キズナ写真 キズナ話題 キズナグッズ キズナ写真 強調されているアイテムは100種全て揃っていた場合にカーソルが初期位置にある状態で右ボタンでページを切り替えた際にページの一番上にくるアイテム 名前 エリア 入手場所 備考 10年前の部室の写真 過去 部室棟周辺 部室のドア右横(コミュの後ろ) 3つの壷の写真 戦国 城下町 遍着御の前 5色のノボリの写真 幕末 街道西側 万屋前 赤い食券販売機の写真 現代 商店街 雷雷軒 東屋の写真 三国志 孔明の園 余ったハードルの写真 現代 雷門中 体育館周辺 陸上部周辺 あやしい水槽の写真 現代 木枯らし荘105号室 アラモサウルスの顔の写真 白亜紀 大平原 北エリア コミュ付近から左下 一本柳の写真 戦国 城下町 みはらしの丘 井戸の写真 戦国 白鹿組のアジト 丑寅の灯ろうの写真 幕末 二条城 4つの内 右上の灯ろう 美しい着物の写真 戦国 城下町 遍着御(ペンギーゴ) おおいなる滝の写真 ゴッドエデン島 滝つぼの吊橋 おおきな地図の写真 現代 雷門中 第一校舎3階 オープンテラスの写真 過去 商店街 おしゃべりオウムの写真 現代 木枯らし荘202号室 カカシの写真 幕末 千枚田のカカシ坂 学食スイーツの写真 現代 雷門中 第二校舎1階 語り継がれる円卓の写真 幻想 アーサー王の城 円卓の間 壁にかかった軍旗の写真 中世フランス ヴォークルール ジャンヌの拠点 カラフルマットの写真 現代 木枯らし荘102号室 頑丈なダンボール箱の写真 未来 セントエルダ市街地 サッカーバトル左横 気合の写真 現代 雷門中 武道館 右上 奇抜な本の写真 トンガットル共和国 病院1F 救命カプセルの写真 白亜紀 トーブの家 旧雷門ユニフォームの写真 過去 第一校舎1F売店 京の渡し舟の写真 幕末 街道西側 恐竜の背骨の写真 白亜紀 獣の谷 回復ポイントの川に浸かってる骨 巨大なフルーツの写真 白亜紀 トーブの家 朽ちた風車の写真 ゴッドエデン島 お地蔵さま広場 クラシックギターの写真 現代 木枯らし荘206号室 黒いまねき猫の写真 幕末 万屋 原始キノコの写真 白亜紀 絶壁の登山道 券売機の写真 現代 河川敷前駅 構内 公園の自販機の写真 現代 西公園 高価な商品棚の写真 現代 商店街 ペンギーゴ 店員の後ろ 校歌の写真 現代 雷門中体育館 氷印の写真 沖縄 浜辺のグラウンド かき氷屋の旗 小型クルーザーの写真 現代 河川敷 ささやかな枯山水の写真 現代 雷門中 武道館周辺 武道館入口下 疾風迅雷の写真 現代 商店街 秘宝堂 次男坊シーサーの写真 沖縄 坂道市場 しましまマクラの写真 現代 木枯らし荘301号室 消波ブロックの写真 沖縄 さざなみのビーチ 白いまねき猫の写真 幕末 万屋 城を見守る松の写真 戦国 那古屋城 新鮮なお魚の写真 現代 商店街アーケード 新発売のお菓子の写真 現代 商店街 アーケード Gマート 上側の棚 スイカの写真 沖縄 海の家 水車小屋の写真 戦国 あぜみち通り スペースロケットの写真 過去・現代 西公園 戦場テントの写真 中世フランス オルレアン戦いの拠点 ソテツの木の写真 過去 部室棟周辺 太古の絶景写真 白亜紀 大平原南 左側崖の上 高跳びバーの写真 現代 雷門中 体育館周辺 卓上サッカーゲームの写真 過去 雷門中 部室 立ち入り禁止の写真 過去 街はずれ 空き地 暖炉の写真 幻想 グリンウェル村 シーナの家 ちっちゃいゴールの写真 現代 部室の倉庫 サッカー棟 茶屋の写真 戦国 あぜみち通り 駐車券回収機の写真 現代 ホーリーロード駐車場 超古代ワラビの写真 白亜紀 原生林 交差点の右上 ちんすこうの写真 沖縄 坂道市場 ちんすこう屋の旗 使いやすいロッカーの写真 現代 サッカー棟 シャワー室 積み上げられた魔法書の写真 幻想 グリンウェル村 旅人の店 鉄塔からの風景写真 現代 鉄塔 鉄塔広場案内図の写真 現代 鉄塔広場 でっぷりしたタルの写真 中世フランス 展望の塔 当番表の写真 現代 木枯らし荘1階 ドラム缶の写真 現代 雷門中 第二校舎入口周辺 ドラムセットの写真 現代 雷門中 第二校舎3階 音楽室内 下 努力・根性の写真 現代 雷門中 校庭 トレーニング器具の写真 現代 木枯らし荘203号室 屯所のもみじの写真 幕末 新撰組の屯所前 ナギナタの写真 戦国 城下町 遍着御(ペンギーゴ) なつかしい校章の写真 過去 雷門中 第一校舎前 なびく桃色の穂の写真 三国志 孔明の園 煮える大釜の写真 戦国 城下町 豆腐屋 ねじれた大樹の写真 パッチワーク ゆがんだ森 バスケ得点板の写真 現代 雷門中 体育館 八角形の噴水の写真 中世フランス オルレアン広場 美人画の写真 戦国 城下町 秘宝堂 障子の左横 ヒツジの写真 幻想 グリンウェル村 火鉢の写真 戦国 地蔵堂 ブランコの写真 現代 木枯らし荘周辺 古いホワイトボードの写真 現代 旧部室 ふるめかしいホウキの写真 現代 木枯らし荘3階 ホログラムボールの写真 未来 サッカー記念博物館 サッカー体験ルーム まき割りセットの写真 幻想 グリンウェル村 誠の写真 幕末 新選組屯所 屯所内奥 漫画の棚の写真 現代 雷門中 第二校舎1階 図書室 未来都市のオアシスの写真 未来 セントエルダ郊外 未来の車の写真 未来 セントエルダ市街地 明鏡止水の写真 現代 商店街 秘宝堂 優勝カップの写真 現代 雷門中 第一校舎4階 優勝旗の写真 現代 雷門サッカー棟 ミーティング室 弓矢のマトの写真 中世フランス ヴォークルール ジャンヌの拠点中庭 四字熟語の写真 現代 雷門中 第一校舎2階 一番右の教室の黒板 りっぱな胸像の写真 過去 雷門中 校庭 レトロなゲーム筐体の写真 現代 商店街 ゲームセンター キズナ話題 強調されているアイテムは100種全て揃っていた場合にカーソルが初期位置にある状態で右ボタンでページを切り替えた際にページの一番上にくるアイテム 名前 エリア 入手場所 備考 50円玉コレクターの話題 ホーリーロード ホーリーロードスタジアム アウトドアの話題 現代 商店街 ペンギーゴ 赤きポスト伝説の話題 現代 駅前道り 悪運が強いヤツの話題 幻想 嘆きの洞窟 入口 あこがれの先生の話題 過去 雷門中 校舎1階 新しいお店の話題 現代 木枯らし荘周辺 新しい自転車の話題 現代 雷門中 駐車場 雨の日の過ごしかたの話題 現代 商店街 ゲームセンター 池のヌシ釣りの話題 現代 鉄塔広場 イタズラ師匠の話題 現代 街はずれ いにしえの健康法の話題 トンガットル共和国 病院 一階 イングランドの朝食の話題 中世フランス オルレアン広場 うがい手洗いの話題 現代 病院 一階 受け継ぎたい伝統の話題 過去 雷門中 部室棟周辺 園芸部の話題 過去 雷門中 校庭 お母さんの話題 未来 記念博物館 ギャラリー 臆病な若旦那の話題 幕末 二条城 城門 お稽古ごとの話題 幕末 料亭 おすすめメニューの話題 沖縄 海の家 お手伝いの話題 中世フランス ヴォークルール 拠点中庭 お笑いの話題 幕末 神社跡 カカシ坂 音楽ジャンルの話題 現代 商店街裏道 貝がらあつめの話題 沖縄 浜辺のグラウンド 外国語の話題 現代 雷門中 第二校舎周辺 香りのよい果実の話題 幻想世界 アーサー王の城 中庭 かくれんぼの話題 中世フランス ヴォークルール 風が強い日の話題 現代 雷門中 体育館周辺 風をきる車の話題 現代 HR駐車場 革の手入れの話題 中世フランス ヴォークルール 貴族のたしなみの話題 中世フランス シノン城 謁見の間 貴重な山菜の話題 トンガットル共和国 病院 二階 旧世代ロボットの話題 未来 サッカー記念博物館前 兄弟の話題 現代 病院 二階テラス きれいな夜空の話題 戦国 広場 筋トレ坂の話題 沖縄 小学校 恋する侍の話題 幕末 川沿いの街道 西側 サーフィンの話題 沖縄 さざなみのビーチ 樹木医さんの話題 現代 病院 将棋仲間の話題 戦国 尾張の城下町 極楽店前 女子サッカーチームの話題 現代 河川敷 グラウンド周辺 白い道着の話題 現代 雷門中 武道館 白黒つけたい話題 幻想世界 グリンウェル村 旅人の店 城の守りの話題 幻想世界 アーサー王の城 城門 すごいワラジの話題 戦国 城下町 遍着御(ペンギーゴ) 生徒会の話題 現代 雷門中 第一校舎4階 戦国時代の怖い話題 戦国 おぼろげの森 洗濯日和の話題 中世フランス 広大な平原 大好きなアイドルの話題 現代 雷門中 第一校舎2階 大理石の話題 中世フランス ロワール渓谷 タグイマレダケの話題 幻想世界 グリンウェル村 男児たるものの話題 戦国時代 尾張の城下町 極楽店内 通販マニアの話題 現代 神童邸周辺 テストの話題 現代 雷門中 第二校舎 3階 音楽室 テッポウの話題 戦国時代 白鹿組のアジト 寺子屋の話題 戦国 あぜみち通り 天気予報の話題 過去 鉄塔広場 天才剣士の話題 幕末 お屋敷通り 伝説の刀鍛冶の話題 戦国時代 那古屋城 城門前 伝統舞踊の話題 沖縄 浜辺のグラウンド 図書委員の話題 現代 雷門中 第二校舎1階 図書室 鳥の手当ての話題 過去 街はずれ とろけるアイスの話題 現代 商店街南通り とんがりヘアーの話題 トンガットル共和国 トンガットルグラウンド 仲直りの話題 幕末 神社跡 泣ける映画の話題 現代 河川敷 駅構内 なつかしき世界大会の話題 ホーリーロード ホーリーロードスタジアム スタジアム内回復ポイント付近 日本のアニメの話題 トンガットル共和国 病院前 ねぐせ対策の話題 戦国時代 あぜみち通り 眠気覚ましの話題 中世フランス 広大な平原 幕末の怖い話題 幕末 二条城 発声練習の話題 現代 雷門中 武道館周辺 八丁味噌の話題 戦国時代 城下町 美術部の話題 現代 雷門中 校庭 秘密基地の話題 沖縄 さざなみのビーチ 評判の占い師の話題 幻想世界 アーサー王の城 円卓の間 部活後の習慣の話題 現代 雷門中 体育館周辺 部活ファッションの話題 現代 雷門中 体育館 不思議なエンピツの話題 現代 雷門中 第二校舎2階 仏像の話題 幕末 お屋敷通り 屯所前 プレミア雑誌の話題 現代の稲妻町 商店街 Gマート ボールひろい係の話題 過去 雷門中 校庭 盆栽の極意の話題 現代 木枯らし荘周辺 まだ見ぬ雪の話題 トンガットル共和国 スタジアム 祭りの醍醐味の話題 戦国 花吹雪広場 水浴びの話題 幻想世界 幻想世界の旅路 未来ファッションの話題 未来 セントエルダ市街地 虫歯の話題 現代 西公園 名作格闘ゲームの話題 現代 商店街 ゲームセンター 名誉の傷跡の話題 中世フランス 展望の塔周辺 珍しいペットの話題 現代 西公園 目にいい話題 現代 雷門中 職員室 もっと目にいい話題 現代 商店街 大通り モテる男子の話題 現代 雷門中 第一校舎3階 野菜ドリンクの話題 未来 セントエルダ市街地 エルダーズショップ やんちゃ時代の話題 現代 河川敷 世渡り上手の話題 中世フランス シノン城 ラーメンのお供の話題 過去 商店街 旅行の話題 幕末 川沿いの街道 北側 礼儀作法の話題 戦国時代 那古屋城 和歌の話題 幕末 川沿いの街道 東側 キズナグッズ 名前 入手場所 備考 英数字 LBXマガジン クリア後デストラクチャーズ戦 あ行 あこがれのメガネ 神童邸周辺 メガネメンズ あざやかなクスリ 総合病院前 ホスピタルズ あぶないスイッチ 決戦の対戦ルート P・兵馬ロボッツ あぶらとりシキガミ 川沿いの街道 東側 TEAMあまやどり あらくれバズーカ 真実の対戦ルート エルドラドチーム03 暗黒のサンオイル 内緒の対戦ルート キングボルケイノ ネップウ限定 いい感じの水晶玉 アーサー王の城 城門 エレメントファイブ いさましきツメ クリア後ツキガミの一族戦 ネップウ限定 維新のにぎりめし 幕末編終了時入手 一年生の宿題 雷門中 校庭 アベレージズ いろあせすぎた地図 オルレアン橋 銀箱 いわくつきの勲章 ロワール渓谷 オブリゲーションズ いわずとしれたキバ 絶壁の登山道 ザ・トロオドンズ うるわしきマント クリア後ヴァンプティム戦 ライメイ限定 エイリア石鹸 歴戦の対戦ルート カオス 王の腕輪 幻想世界編終了時 おしゃれな手裏剣 あぜみち通り オニワバンズ おそるべき苗 開幕の対戦ルート 青葉 おてがるなイカリ 開幕の対戦ルート 白鹿組 おもいでのアルバム 過去の雷門中 校庭 フレンドシップス おもしろい巻物 那古屋城 城門前 ざ・ぶれいぶ か行 かぐわしきインク ロワール渓谷 かいとうクラブ 風になびく草原の絵画 幻想世界の泉あたり リージョンズ かっこいい会員証 駅前通り グッドメンズ かわいらしい会員証 西公園 プリティチーム 元祖木戸川漬 開幕の対戦ルート 尾張ブレイブス 感動を呼ぶ角笛 ロワール渓谷 ウォーペインターズ 貴重なアンプル 歴戦の対戦ルート ダークエンジェル 気になるコハク 獣の谷 A・F・L・O 木彫りのシカ 嘆きの洞窟入り口 ふわふわアニマルB(N),さくさくアニマルB(R) きまぐれ献立表 木枯らし荘周辺 フラッシュダンサー 究極のゆきだるま 白熱の対戦ルート 成都ラフターズ 巨大なハイビスカス 坂道市場 コムギジェンヌ(N),こんがりエンジェル(R) 巨大竜の逆鱗 激闘の対戦ルート エボリューションズ けたたましいヘッドホン 沖縄さざなみのビーチ ミュージシャンズ 月光のランタン 白熱の対戦ルート エンシャントダーク 皇帝ペンギンくん2号 開幕の対戦ルート プロトコル・オメガ2.0 心くばりのキャンディ 中世フランス編終了時 こころもとないコンパス 白鹿組のアジト 銀箱 ゴッドエデン観光ガイド ゴッドエデン島森林スタジアム バッドエンダーズ(N),ブックエンダーズ(R) さ行 三国志のサイン色紙 三国志編終了時 三年生の宿題 体育館周辺 ボーイッシュズ しあわせの花束 アーサー王の城 中庭 ナルキッソス(N),タンビーズ(R) 柴犬のブロマイド 鉄塔広場 セーフティーズ しゃれこうべバッジ 河川敷 エッジワークス しわくちゃの福引券 商店街 アーケード バッドラックス すぐれた時刻表 商店街 南通りチームOTK スタミナ地球儀 白熱の対戦ルート プロトコル・オメガ3.0 ずぼらなペンデュラム アーサー王の城 円卓の間 銀箱 聖なるお茶碗 歴戦の対戦ルート 世宇子 世界の坂道カタログ 龍の回廊 レッドウォールズ ぜっぴん豆腐 戦国時代編終了時 せわやきタオル 秘密の対戦ルート マネージャーズN(N),マネージャーズR(R) センスのよい扇子 武道館周辺 剣道部 た行 だいたんな短冊 開幕の対戦ルート プロトコル・オメガ タネもシカケもない棒 白熱の対戦ルート からくり兵馬俑 ちょうちんオバケちゃん おぼろげの森 妖怪クラブ ちょうどいい腕時計 歴戦の対戦ルート オーガ てごろなとんがり トンガットルグラウンド Ton-GALS(N),Ton-GIRLS(R) トーチャンの宝物 白亜紀編終了時 とっておきの会員証 開幕の対戦ルート HRオールスター とてつもない装置 真実の対戦ルート リアルレジェンズ トンコツ味のシロップ 内緒の対戦ルート スパークルナイツ ライメイ限定 な行 ナイスなベスト 決戦の対戦ルート エグZERO なつかしのメロディ 歴戦の対戦ルート チームボンバー 二年生の宿題 体育館周辺 スカイデンジャー ニヒルなシュノーケル さざなみビーチ オーシャンズ(N),リトルマリンズ(R) は行 パーフェクト万国旗 歴戦の対戦ルート チームスパーク バイククラフトの模型 白熱の対戦ルート スピードギャルズ 栄えあるトロフィー 真実の対戦ルート イナズマレジェンドジャパン はじめてのコーチ入門 カオスタワー最上部 ノーエネミーズ パッチワークこけし ゆがんだ森 THEジンツウリキ 光と闇の融合 激闘の対戦ルート カオスエンジェルス ひらめきコイン 雷門中 校庭 パラレルストーン 便利なシード手帳 ホーリーロードスタジアム内部 フィフスミリオン(N),フィフスオリオン(R) ホーリーロード名鑑 ホーリーロード 駐車場 ベストフレンズ ほどよいバスケット 西公園 マイルドボーイズ ボロボロのサッカー雑誌 開幕の対戦ルート プロトコル・オメガ3.0 ま行 まやかしのルーペ 嘆きの洞窟 フォークロアズ(N),ヘリテージス(R) みやびな和傘 川沿いの街道 北側 ティーパーティーズ みわくのオーデコロン 広大な平原 エンタテイメンツ(N),エンタテイナーズ(R) シノン城出てすぐ や行 優柔不断レーダー 川沿いの街道 北側 銀箱 勇猛果敢なてぬぐい 川沿いの街道 北側 武士道マスター 夢にまでみたレアカード 切り取られた園 レアリティーズ ら行 雷門二軍のテーマ曲 開幕の対戦ルート 雷門2軍 楽園のジオラマ ゴッドエデン地蔵広場 ホワイトブリーチズ(N),ブラックダイズ(R) ルートクラフト免許証 激闘の対戦ルート オメガエリーツ わ行 災いを呼ぶ漆黒の羽根 ゴッドエデンスタジアム フィフスレガシーズ ワルそうなチェーン 商店街裏路地アンタッチャブルズ
https://w.atwiki.jp/harukaze_lab/pages/205.html
平安喜遊集 地蔵 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)五百夜《いおよ》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)供|騙《だま》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)かつえ[#「かつえ」に傍点] ------------------------------------------------------- [#6字下げ]一[#「一」は中見出し] 「鬼もこそ聞け、こうみえてもおらあただの女じゃねえ」と女が云った、「――五百夜《いおよ》の濃萱《こすげ》といって、洛中洛外にかくれもねえ女宰領《おんなさいりょう》だよ、わかってるのかい」 「あい」と手白《てじろ》は頷《うなず》いた。 「おらのことを日に三十里も歩けるくせに五里しか歩かねえ怠け者だと云っている牛飼いの十喜《とおき》じじいでも」と脛黒《すねぐろ》が云った、「――それを疑いはしめえと思う」 「こちたきことよ」と女は土器《かわらけ》の盃《さかずき》で酒を呷《あお》り、大きなおくびをし、あぐらをかいたままで片方の裾を捲《まく》りあげ、ほっとりと柔らかそうな、白い太腿《ふともも》を叩きながら訊《き》き返した、「――じじいがなにを疑わねえんだ」 手白は眼をまるくして女の太腿を見た。 「おめえさまのことをよ」と脛黒は答えた、「おめえさまが五百夜の濃萱といって、洛中洛外にかくれのねえ女宰領だということをよ」 「あい」と手白が云った。 「あざあざし」女は瓶子《へいし》から酒を注《つ》いで、大きく呷ってから手の甲で唇を拭き、その手でひたひたと裸の太腿を叩きながら云った、「――それがわかっているんなら、おれの云ったとおり仕事をすぐに始めろ」 手白はじっと女の太腿をみつめていた。 「おらのことを二十五になってもうぬの母親が本当にうぬの母親かどうかさえたやすくは信じねえほど疑いぶかい人間だと二条院の堀さらいをする瘤八《こぶはち》が云ったもんだが」と脛黒は答えた、「――その仕事は考えものだ」 「かしがまし」と女が云った、「なにが考えものだ」 女がもっと裾を捲りあげたので、手白の眼はとびだしそうになった。 「おらのことを」 「かしがまし」と女がとなった、「そのどこかのじじいだの瘤八だのに口をきかせるな、てめえの云いてえことだけをてめえの口で云え、うるせえ」 「これは枕詞《まくらことば》なんだが」 「それがなんだと」 「枕詞よ」と脛黒は答えた、「おめえさまは、人間はみやびやかでなければいけねえと云われた、ことにおらたちのように品《しな》よく世渡りをする者は、世間からおくゆかしい人間だと思われるのが肝心だ、それにはものを云うときに枕詞の一つも付けるくれえの心掛けがなければだめだと」 「この蛙っ食いめ」と女が遮《さえぎ》って喚いた、「この蛭《ひる》ったかりの臍《へそ》つぶれめ、よく聞けよ、枕詞とは五文字か七文字、それもあとに続く文句とつながりがなくっちゃならねえもんだ、こう」と女はそこで声にあやを付けた、「――あまのはら、とか、みすずかる、とか、あおによし、とか、こういったものが枕詞だ、てめえのは牛追いのじじいだの」 「牛飼いなんだが」 「うるせえ」と女はどなりつけた、「追うも飼うもおらの知ったことか、枕詞を付けるんならおらのように付けろって云うだ、この、かいかい病みの犬っぱらみめ」 「おらのことを頭にできた疣《いぼ》が」 「かしがましかしがまし、うるせえったらうるせえぞ」と女はもの凄《すご》く頭を振って、もう一と声きめつけた、「わかったかい」 「あい」と手白がいそいで眼をそらしながら答えた。 「黙んな手白」と女が睨《にら》みつけ、「おめえはここを見てえればいいんだ、ここをよ」と太腿を叩いて云った、「おらそういう眼で躯《からだ》を見られんのが好きだ、いま都にどれほど男がいるか知らねえが、おめえのようにあけすけな眼つきで見てえ物を虚心にみつめるほど勇気のある者はありあしねえ、それだけがおめえの取得だ、それだけがだ、忘れるんじゃねえぞ、手白」 「あい」と手白は頷き、こんどは眼をほそめて、覗《のぞ》きこむようにその部分を凝視した。 「それ、もっとこうしたらどうだ」女はさらに裾をたくしあげた、「こうしたら」 手白は口をあき、長い舌を垂らした。 「この覗き狸め」女は手白の頬に平手打ちをくれ、裾をおろしてどなった、「二人とも立って支度をしろ、こういう仕事はほかにも思いつくやつがあるかもしれねえ、こういう仕事は先に手をつけた者の勝ちだ。支度をしてすぐに始めろ」 「おらは考えもんだと思うがな」脛黒はぐずぐずと立ちながら云った、「越《こし》のくにから京へ来て三年と八十二日になるが、おらあものごとをひろい眼で見るようにしているだ、仮に小さな石がそこに一つあるとする、人はその石だけを見てなんだとかかんだとか云う、だがおらあそうじゃねえ、その石がどうしてそこにあるか、石の下は土か砂か、それとも草っ原かどうか、その石はそこにじっとしているつもりか、それとも転げだすつもりでいるかどうか、また、その石は」 脛黒はひらっと、いかにもそこに石があるように手を振り、すると女がその手をすばやく掴《つか》んで引き、脛黒はのめって膝《ひざ》を突いた。女は掴んだ脛黒の手を床板へ押しつけ、片手で彼の顔を逆に撫《な》でた。 「あかねさす、眼をさませ脛黒」と女は云った、「いいか、物は衣笠道《きぬがさみち》にある、仁和寺の東を衣笠山のふところへはいる山道だ、いいか、三段ばかりゆくと左に杉林があって、そのいちばん大きい杉の樹のうしろの藪《やぶ》の中にある、いいかい、使うところは六条坊門を東へいって、五つめの辻《つじ》だ、辻の向う角に築地塀《ついじべい》の壊れた無住の第《だい》がある、もと久我大納言が住んでおられたのだが、陰陽師《おんみょうじ》なにがしに方位の難を告げられて四条へ移られ、それ以来ずっと荒れ放題になってるんだ、使う場所はそこの床下だ、わかったか」 「あい」と手白が云った。 「脛黒はどうだ」 「おらあ考えてみるに」云いかけて脛黒は眉をしかめた、「手が痛え」 「痛ければ返辞をしろ、いやか、おうか」 「おう」と脛黒が答えた。 「はしけやし」と云って女は掴んでいる脛黒の手で床板を叩かせた、「そのつまらねえ石を拾ってさっさと支度にかかれ」 「石だって、どこの」 「てめえがいま捻《ひね》りだした石よ」と女は手を放してやった、「することはよくのみこんだろうな、物は衣笠道だぞ、使う場所はとこだ」 「おめえさまの云わしゃったには」と脛黒が立ちながら云った、「六条坊門を東へへえって、五つめの辻の向う角にある無住の第さ」 「はしけやし」と女は云って、盃の酒をうまそうに飲みほした、「この仕事が当ったら、こんどこそおめえらと夫婦になってやるぞ、いいか、もしまた仕損じたときには、二人とも生《いき》皮をひん剥《む》いて牝犬の腹巻にしてくれるからな、わかったか」 「あい」と手白が云った。 [#6字下げ]二[#「二」は中見出し] 「このとおり、仁和寺のほうへ向って歩きながら」と脛黒が云った、「みなさんに申上げたいのだが」 手白がけげんそうに脛黒を見た。 「歩けよ、おめえじゃねえ、おらあ木や草や土や、空の雲なんかに話してるだ、おめえは黙ってな」と脛黒は歩きながら云った、「――おらは越のくに松生《まつお》というところのおん百姓で、三年と八十二日めえに年貢を持ってこの京へ来た者です、松生というところは隆家卿の領分で、年貢は云うまでもなく卿の倉庫へ納めました、納めたは納めたものの、くにへ帰ることができません」 「あい」と手白が云った。 「このとおり」と脛黒は手白を指さした、「この男もおらと同じ身の上なのです、年貢は納めたがくにへは帰れない、おらは三年と八十二日ですが、この手白という男は」 「七年十二日」と手白が云った。 「七年と十二日」と云って脛黒は片方の手を意味ありげに振った、「――むかし、寧楽《なら》朝とかいったころにも、諸国から京へ年貢を納めに来た者は、くにへ帰ることができないため、そのまま浮浪者か乞食か強盗《がんどう》になったそうです、それは未開のむかし語り、といまの大臣《おとど》たちは申される、いまこの平安の時代にさような暴政はゆるされない、民を肥やし、国のもとを確立するのが、まつりごとを預かる者の第一のつとめである、ありがたしおん百姓ども、年貢が高いなどということは気にするな、おまえらは死ぬまで働くために生れてきた、たとえ働き死にに死ぬるとも、おまえらが納めた年貢はむだにはならない、国の守り、都の美観、宮廷貴人の威勢は保たれ、まつりごとは正しく行われる、――そうです、いまは未開の時代ではない、大臣がたはおらたちのような者にまで、大蔵卿の切下文《きりくだしぶみ》をもってかように懇切に宣告されるのです、なんの不服がありますか」彼は両手をひろげた、「おらは年貢を納めに来た、そうしてくにへは帰れない、おらもこの手白も、おらたちのほかの何百何千という者も帰れない、けれどもそれについて些《いささ》かの不平不服はありません」 「あい」と手白が云った。 「くにへは帰れないが都を見ることができました」と脛黒はまた続けた、「天皇のみゆきのこの世ならぬ荘厳さと華麗さ、貴人公子の邸宅や社寺の輪奐《りんかん》たる眺め、すなわち、くにの栄えというものをこの眼で見ることができたし、それらがおらたちの年貢によって賄われていると思うと、ただもう感動の涙にくれるばかりであります、つまり、おん百姓としての感動なのでありますが、ここに一つ困ったことは、くにでこそ耕す田や畑はあれ、この都ではどうして生きてゆくかわからない、知れたこと、おらは途方にくれはてました」 「七年十二日」と手白が云った。 「七年と十二日」脛黒は手白のほうへ頭をかしげてみせた、 「この男は七年と十二日も都にいて、かつえ[#「かつえ」に傍点]どおしにかつえ[#「かつえ」に傍点]ていました、おらがこの手白に初めて会ったのは四条河原ですが、そのとき彼は河原の石を拾っては舐《な》め、拾っては舐めしていた、おらがなにをしているかと訊くと、彼はめし[#「めし」に傍点]を喰《た》べていると云う、河原の石には水苔《みずごけ》が付いているし、水苔は栄養分があって充分めし[#「めし」に傍点]の代りになる、おぬしもやってみろというわけです」 「あい」と手白が云った。 「おらも腹がへってたからためしてみようとした、すると手白が云うには、石にも味のよしあしがある、不味《まず》い石はよけて、美味《うま》い石を選ぶのがこつ[#「こつ」に傍点]だというのです」脛黒はゆっくりと肩をすくめた、「――そこで美味い石を覘《ねら》ってはやってみたのですが、こつ[#「こつ」に傍点]を覚えるまえに、おらは胃のさしこみ[#「さしこみ」に傍点]を起こしてぶっ倒れてしまいました」 手白は「あい」と云いかけたが、慌てて口をつぐみ、渋い顔をしながら眼をそむけた。 「おらのことを頭にできた疣がどれほどまで大きくなるかと気を病んでばかりいるため躯に肉の付くせきのねえ男だと、くにの水守りの眉太《まぶと》じじいが云ったもんだが」と脛黒は歩き続けながら云った、「――おらは疣のことは承知しているだ、この頭にできている疣はたとえどれほど大きくなろうとも、しょせん頭よりでかくなる筈はねえ、もしまた、この頭よりもでっかくなるとすればしめたもんで、そうすれば見世物か因果ものとしてめしのたねになりますからな、そうでしょう」 「はは」と手白が云った。 「そのとおり」脛黒は手白に頷いた、「おらどものような者には、そんな幸運もこぼれては来ない、その代りに五百夜の濃萱という女宰領につかまったのです」 「かくれなき女宰領」と云って手白は脛黒を見た、「女宰領た、なんだ」 「よくは知らないが、あんなにいばってるところをみるとたぶん女の大将とでもいうところだろう、――で、みなさん」と脛黒は話を続けた、「濃萱というあのあねえは、おらと手白に仕事をあてがってくれたのです、みんな辻に立つか、家の門に立つしょうばいで、ずいぶんいろいろなことをやりました、あねえは品よき世渡りだと云うけれども、おらが考えるにはどうもうろん[#「うろん」に傍点]なことばかりだったと思う、なにしろいつも使庁の役人が来はしないかと、あたりに気を配りながらやらなければならないし、また、その役人に追っかけられない日のほうが稀《まれ》なくらいなんだから、――それだからおらあなにをやってもすぐ忘れることにしているし、あねえも二度と思いださせるようなことは云わない、そうさ、一つだけうまく当りかけたことがあったっけな」 「犬のい[#「い」に傍点]」と手白が云った。 「しっ、くまのいだ」と脛黒は手を振って制止し、それから云った、「もちろんみなさんには正直に申しましょう、犬の肝を抜いて干し固め、それを熊胆《くまのい》といって売ったのです、これはもうたいそう繁昌して、このままゆけば東山を含めて京の半分を買うこともできようと、おらばかりでなく、あねえまでが気をよくしたものです」 「あい」と手白が云った。 「ところがいけなかった、因はこの手白なんで、この男はごらんのとおりずぬけて口がへたです」と脛黒は云った、「だからしょうばいの口上はおらがやるときめてありました、これはもう検非《けび》の庁宣のように堅いものだったのですが、或るとき、さよう、薬王院の門前の市で売っていたところ、常にない繁昌で客がひしひしと詰めかけ、おら独りの口上では隅まで届かなかったんでしょう、或る心のねじくれたような客が手白をつかまえて、この熊胆を取った熊はどんな毛並であるかと訊いた、手白はいつもの伝であい[#「あい」に傍点]とだけ答えたが、客はなお羆《ひぐま》か月の輪かと問い詰めた、するとこの男は、いや白と黒の斑《ぶち》だったと答えました、白黒の斑、――は」脛黒は右手をひらっと振った、「しかもそれだけではない、心のねじくれたような客はすかさず、鳴き声はどんなだと訊きました、それで一遍に御破算です、この男は白黒斑の鳴きまねをしてみせ、取巻いていた客たちはげらげらと笑いだし、やがて石を投げ始めました、いま考えてみても、よくまあ生きて逃げられたものだと、われながら訝《いぶか》しく思うほど猛烈な、恐ろしい石つぶてだったのです」 「瘤」と云って手白は自分の頭を指さした。 「それ以来」と脛黒は手白には眼もくれずに続けた、「おらたちは暫く鳴《なり》をしずめていました、おらとこの手白の顔を、世間の者が見おぼえているうちは危ないというわけです、このあいだに、あねえはこんどの仕事を考えていたんですな、なにしろ女宰領というくらいだから、頭のめぐりのいいことにはかなわない、おらとしてはこの仕事は気乗りがしないのです、これまでやって来たどんな仕事よりも子供|騙《だま》しで、とうてい世間は信じないだろう、ことに都の人間はわる賢くって狡猾《こうかつ》で、おらたちは幾たび死ぬようなめ[#「め」に傍点]にあわされたかしれないのですから、――だがやむを得ません、おらは濃萱のあねえのあの白い腿が忘れられねえだし、この仕事がうまく当れば夫婦になってやるというわけですからな」 「おらもだ」と手白が力んで云った、「もう三年もだぞ」 「三年はお互いさまだ」と脛黒が云った、「おらかおめえか、どっちと夫婦になるかはあねえのきめることよ、熱くなるな」 「あい」と手白は頷いた。 「それ仁和寺へ来た」脛黒はそう云って向うを指さした、「あの道をはいるだぞ」 [#6字下げ]三[#「三」は中見出し] 「これがあねえの云った杉林で」と脛黒が云った、「あれが中での大杉だな」 「思いだした」 「この大杉のうしろの藪か」 「おら、やっと思いだしたぞ」 「黙ってろ」と云って脛黒は藪の中へはいっていった、「へいへい、見ろや手白、あねえの云ったとおり、ちゃんとここに地蔵さまがあったぞ」 「捨て物だ」と手白が云った、「ずっとめえ、微妙院のいざり[#「いざり」に傍点]が捨てたもんだ」 「いざり[#「いざり」に傍点]だって、――乞食か」 「微妙院のおしょうにんだ」 「それじゃ阿闍梨《あざり》だろう」 「その人が地蔵を作らせた」と云って手白は藪の中に転げている石の仏像を指さした、「出来あがったとき、論が起こった、洛中洛外、河内や大和、叡山《えいざん》や高野などの寺々から、たくさんのひじり[#「ひじり」に傍点]やいざり[#「いざり」に傍点]や、いや、――なんだっけ」 「あざり、阿闍梨っていうんだ」 「そのざり[#「ざり」に傍点]だ」と手白は頷いた、「それらの衆が集まって来て、三十七日と三十七夜のあいだ論判した」 「なにがいけなかった」 「その手だ、地蔵の手がごたごたのもとだ、よく見てみろ」手白は石の仏像の右手を指さした、「この手は輪を作っているが、この輪になったところは錫杖《しゃくじょう》を入れるだ、左手には宝珠を持ってるが、これが誤りだという、錫杖を右手に持たせたら、左手は施無畏《せむい》の印を結んでいなければなんねえ、左手に宝珠を持ったなら右手は甘露印を結ぶだという、どの経文にはかくかく、あの経文にはしかじか、古法だとか俗説だとか、並んだ坊主あたまが火を噴くような騒ぎよ」 「ふうん」と脛黒は頭を振って感嘆した、「そう聞いてみると、地蔵なんぞといってもこれ、おいそれとばかにはできねえもんだな」 「論は尽きねえ」と手白は続けた、「どのひじり[#「ひじり」に傍点]もあざり[#「あざり」に傍点]もあとへひかねえだ、しめえにはみんなくたびれはてて、こんなおかしな物あもう見たくもねえって、叡山の坊主は叡山へ帰るし、大和の坊主は大和へ、河内の坊主は河内へ、高野の坊主は」 「わかった、その先は云うな」 「なぜ」と手白が問い返した。 「なぜだって」脛黒はふんと鼻を鳴らした、「きまったはなし、高野の坊主は高野へ帰ったんだろうが、え」 「死んだだ」と手白は云った。 「死んだ、どうして」脛黒は気をわるくして反問した、「どうしてまた高野の坊主だけ死なせるんだ」 「微妙院のあざり[#「あざり」に傍点]も死んだだ」 脛黒は眼を剥いた。 「その二人がいちばん激しく論判した」と手白は云った、「それで脾臓《ひぞう》をやぶっちまったっていうだ、それで、高野の坊主は高野へ立つ日に死んだし、微妙院のあざり[#「あざり」に傍点]は十日おくれて死んじまっただ」 「おめえはさっき」と脛黒が訊いた、「この地蔵は微妙院のあざり[#「あざり」に傍点]」が捨てたと云ったぞ」 「死ぬめえだ、死ぬ二日めえに、こんな縁起でもねえ物は捨てちまえって、念を押して遺言さしゃったってえことだ」 脛黒は腕組みをし、その縁起でもない物をみつめて、首を振ったり、唸ったりしながら、よくよく思案を練るようであった。 「あれがこうで、これがああで」と脛黒は咳《づぶや》き、片手で顎《あご》を掴んだ、「あの手はうめえ、錫杖を入れる穴がぴったりだ、しかし待て、まあ待て、おらあどうもこの仕事には気乗りがしねえ、ま、もうちっと考えてみよう」 手白は草の上へ腰をおろした。脛黒は地蔵の顔を覗きこみ、像の頭や肩や手などから、松やその他の落葉を払いおとし、輪にしている右手の穴へ指を入れてみたりした。 「よかんべ、やってくれよう」とやがて脛黒が云った、「日が昏れたら担ぎだすべや」 そして手白の脇へ腰をおろした。 [#6字下げ]四[#「四」は中見出し] 「まっ暗だな」と脛黒が云った、「――おらたちは六条坊門を東へへえって来た、それから五つめの辻の、ここが向う角だ、なあ」 「あい」と手白が答えた、「おら肩の骨が折れそうだ」 「しっかり担げ」と脛黒が云った、「するとこの築地塀の中が無住の第だろう、足もとに気をつけろ、この塀の崩れたところからへえるだ、それっ、気をつけろよ」 暗闇のどこかで朽ちた木を踏み折るような音がし、ずしんと、なにか重量のある物が、地面に落ちた。手白が呻《うめ》き声をあげ、脛黒が制止し、二人いっしょに激しく喘《あえ》いだ。 「静かにしろ」と脛黒が云った、「無住だとは聞いたが、どこに誰がいるか知れたもんではねえ、――どうした」 「おら、くにへ帰りてえ」と手白が泣き声で云った、「おら、こんな仕事は性に合わねえだよ、おらくにへ帰っておん百姓をやりてえだ、頼むからおらのことをくにへ伴《つ》れて帰ってくれな、なあ脛黒、頼むからよ」 「まあおちつけ、ここへ掛けようぜ、手白」と脛黒がなだめにかかった、「今夜は月も星さえもない、どっちを見てもまっ暗だしどっちになにがあるか見当もつかない、こんな晩は誰しも陰気になるもんだ、いまをときめく藤原どの御一門や、貴人長者などはそうじゃない、この暗闇をよそに燭台《しょくだい》を列ね、くにぐにの珍味を盛った台盤を前に、酒を飲みながら踊ったりうたったりしている、酔い潰《つぶ》れれば美女を抱いてとのごもり[#「とのごもり」に傍点]、暑さも知らず、ひもじさ悲しさ苦しさも知らない、だが手白、これはおらたちがさせてやっていることだぞ、おらたちが死ぬほど働いて年貢を納めればこそ、あの衆たちは苦労知らずにやっていられるんだ、なあ、そう考えればはればれとした気分になるじゃないか」 「どうしてはればれするんだ」 「だっておめえ、あの衆たちにあれだけ贅沢《ぜいたく》をさせてやっているのが、このおらたちだと思えばはればれするだろうじゃねえか」と脛黒は保護者の誇りをみせて云った、「――あの衆たちはそこに気がつかねえ、口ではおん百姓こそ国の宝だなんて云ってるが、自分らは自分らのちからでやってると思ってる、無邪気なもんよ、可愛いもんさ」そしてまた付け加えた、「まるっきり子供みてえだ」 「おめえはすぐに感動したりはればれした気分になるが、おらあうちしおれるばかりだ」と手白は溜息をついた、「おらあ五つくれえのときから今日まで、しょっちゅううちしおれてばかりいるだ」 「濃萱あねえの内腿を見てもか」脛黒は誘惑するように云った、「あのまっ白で、柔らかくあたたかそうで、たっぷり脂の乗ったあの太腿を見てもかい」 「見ているうちはいいが」手白は唾をのみこんで、それから弱よわしく首を振った、「――そのあとでは倍増しいけなくなっちまうだ」 「おらが考えるに」と暫く黙っていたあとで脛黒が静かに云った、「それはおめえが眼の前のことだけ見ているからだと思う、人間はもっとひろい眼で見、ひろい心で考えなくっちゃならない、たとえば或るとし大|饑饉《ききん》があったとする、おめえはそこでうちしおれるだろう、が、それは間違いだ、どんなにずぬけた大饑饉でも、人間が死に絶えたためしは一度もねえし、そのあとには豊作ってものが来るだ、いつかあねえと夫婦になれると思えばこそ、こんな仕事でもはげみが出る、つまり、眼の前のことばかり苦に病まねえで、もっとひろい眼とひろい心を持つことが肝心だ、そうは思わねえか」 「くにへ帰りてえ」と手白は云った、「おらもうくにへ帰りてえだけだ」 「さあさあ、元気をだせよ」脛黒は陽気な声で云った、「この仕事はうまくいきそうだし、うまく当れば濃萱あねえと夫婦になれる、三年も待ったあねえといっしょになれるんだぜ手白、おめえこれがうれしくはねえのか」 手白は闇の中でじっと眼を凝らしていた。 「おめえ」とやがて手白が云った、「濃萱っていう名の出どこを知ってるか」 「聞いたこともねえ」 「おら見た」手白はひそめた声で、歌でもよむように云った、「――ころも干すまた野の奥にむら立ちて萱こそ茂れ濃黒にぞ見ゆ」 「寐《ね》べえ」と脛黒が云った、「夜が明けたら仕事だぞ」 彼は横になって肱枕《ひじまくら》をし、寐ぐあいをよくして長い溜息《ためいき》をついた。それからいまが四月であって、こんなふうに寐ても寒くないことを感謝し、もういちど溜息をついて眼をつむったが、暫くすると急に起き直った。 「おい手白」と彼は吃驚《びっくり》したような声で訊いた、「いまのはほんとか」 「あい」と手白が答えた。 「おめえそれを見たのか」 「あい」と手白は答えた。 脛黒は闇の一点をじっと睨んでいたが、やがて首を振り、横になりながら唸った。 「寐べえ」と彼は云った、「仕事が先だ」 [#6字下げ]五[#「五」は中見出し] 「どうしたことだ、誰もとおらねえ」脛黒は頭を掻いた、「夜は明けきったし、おてんとさまも昇ったし、こんないい日和《ひより》だってえのに、ええ、これはどうしたわけだ」 彼は辻に立って四方を眺めまわした。南の微風《そよかぜ》があるため、明るい朝日をあびて乾いた道には、ときどき薄く土埃《つちぼこり》が舞いあがった。その辺は西の京でもはずれに近く、縦横にきちんと道割りこそできているが、家屋敷はごくまばらにしか建っていない。官有地だから田も畑も作れず、空地は草や灌木《かんぼく》の茂みで蔽《おお》われ、その茂みの中には、野鼠や兎などが草や木の根を噛《か》んだり、はしゃいで跳ねまわったりしていた。 「おーい」と手白の叫ぶのが聞えた、「まだかよ、おら腕が痺《しび》れちまうだよ」 脛黒は振向いて歩きだすと、築地塀の崩れたところを跨《また》いで庭へはいった。その無住のやしきは形容しようもないほど荒れはて、ぶっ毀《こわ》れて、元なにがしの第であったなどとは、想像もつかぬくらいみじめなありさまになっていた。――手白はその廃屋の一つの床下に坐っていた。それはたぶん寝殿作りの対屋《たいのや》だったのだろう、ほかの建物はみな倒れたり崩れたりしているが、それだけは穴だらけだが屋根もあるし、柱や廂《ひさし》や廊下なども、危なっかしくはあるが残っていた。 「どうしただ」と手白が呼びかけた、「まだ人は来ねえか」 「そうせっつくな」と脛黒が答えた、「まだ時刻が早すぎるんだろ、人らしい人はみえねえが、もうそろそろのたくりだすじぶんだ」 「この縄、ちっと緩めちゃだめか」 手白は縛られている両手を出してみせた。細くよった苧《お》の縄で、両方の手首がきっちり縛ってあり、その縄の端は延びて、傍《かたわ》らにある石地蔵の手に握られていた。もちろん石の地蔵にそんなことができる道理はない、右の手は錫杖を差込むために輪を作っていて、その輪にした穴へ縄が巻かれてあるのだ。手白は床下の支柱に背を凭《もた》せ、両足を投げだして坐ったまま、哀願するように脛黒を見あげた。 「考えもんだな、そいつは」と脛黒は用心ぶかく云った、「そんなふうにしたら、つまり、痛くねえようにかげんして縛ってあるとしたら、――都の人間どもはこすっからいうえに疑いぶけえからな、おらたちのせっかくのこんたん[#「こんたん」に傍点]を嗅ぎつけるかもしれねえ」 「ほんの少しでいいんだが」 「それは気のもんだな、うん」ちょっと考えてから脛黒が云った、「おらのくにに修験者《しゅげんじゃ》がいたっけ、名は忘れたが横鬢《よこびん》たにこんなでっけえ瘤《こぶ》があって、その修験者が剣の刃渡りをやってみせるだ、両刃のよく切れる剣の刃を、素足でもって踏み渡るだが、それでおめえ足の裏には毛筋ほどの傷もできねえ、どうしてだかと思うと、それが気のもんだっていう、神経をそっぽへ向けちまうだな、瘤の修験者は酔っぱらったとき云ってただが、その、――まず美しい女を素っ裸にすることを考えるだってよ、着物を上から順にぬいでいって、素っ裸にして、それからその、――いろいろとやって、寐るとこまでのことをじっと考えるだって、そうするとな、躯じゅうの神経が一つところへ集まるから痛さも痒《かゆ》さも感じねえ、足の裏の神経だってそっちへいっちまうもの、剣を踏んでも痛かったり切れたりするわけがねえって云うだ」 手白は沈黙し、眼で宙の一点をみつめながら、じっとなにかに神経を集中した。 「事のついでだから云うが」と脛黒は続けて云った、「あの衆がおらたちおん百姓を国の宝だって云うことを、おらが信じてると思うかい。とんでもねえ、死ぬほど働いたものを年貢だと云ってごっそり取りあげられ、また死ぬほど働かされていて国の宝、――小わらべだってそんなことに騙《だま》されるもんじゃねえ、だがな、それだからと云っておらたちがあの衆ととっ替ることもできねえ、つき詰めて考えればいっそ死んじめえたくなるだろう、そこでおらあ神経をそらすことにしただ」 「その裾をもちっと」手白は宙の一点を凝視したまま、口の中で呟いていた、「もうちっと上へ、もうちっと」 「あの衆はおらたちが養ってやってるんだ、おらたちがいなければ、かわいやあの衆は食うすべも知らねえだってよ、すると気持がらくになって」そこまで云って脛黒は手白のようすに気がつき、囁《ささや》き声で「おい」と呼びかけてみ、それから肩をすくめた、「神経がそれきっただな、うん」 そのときえ手白がだらっと舌を出したので、脛黒は一と足とびしさった。 「おい、よせ手白、その辺でやめろ」と脛黒が云った、「それ以上はゆきすぎだぞ」 午《うま》の刻さがり、――その、もと久我大納言の第であったという荒れ屋敷の庭は、二十人ほどの男女が集まってい、なお辻の四方から、ぞくぞく駆けつけて来る者があり、その数はふえるばかりであつた。崩れた築地塀の外には、牛や馬が繋《つな》がれてい、藁《わら》や籠を乗せた荷車が幾台も置かれてあった。――人垣の中では脛黒が話していた。彼の顔には敬虔《けいけん》な畏怖《いふ》と、信仰の、深いおどろきとが、誰にも疑う余地のないほど明確に、はっきりと刻みつけられていた。 「さあ、うしろの方たちと入れ替って下さい」脛黒は合掌しながら云った、「このような奇蹟《きせき》、この世に又とない不可思議な、そしてみほとけの無辺際な力を示された奇蹟は、できるだけ多くの方がたに見ていただかなければなりません、どうか一つ前の方はうしろの方と入れ替って下さい、どうかお願いします」 人垣は崩れ、前列の人たちは後列の人たちに場を譲った。場所は入れ替ったが、そこを去る者はなかった。かれらは二人三人とかたまって、いま現に自分たちの眼で見、耳で聞いたことの神秘さと、動かしがたい不思議さを語りあい、それが事実であることを慥《たし》かめあい、お互いの驚愕《きょうがく》と畏敬《いけい》の気持を告白しあった。 「あの男が地蔵さまに縛られていたのを見たな」と中年の男が去った、「手首をこうしてきりきり縛りあげられていた」 「そしてその縄の端を」と白髪の老人がふるえ声で続けた、「地蔵尊が右手でしっかりと握ってござっただ、しっかりとな、ああ南無仏、南無大慈大悲の地蔵尊」 「あの男は強盗《がんどう》だと云ったわ」とこちらでは痩《や》せた中年増《ちゅうどしま》の女房が云っていた、「強盗にはいろうと思ったって、誰が自分で自分を強盗だなんて云うかしら、人間は誰しも自分を正直者にみせたがるものよ、正直で働き者だというふうにね、それが人情というもんでしょ」 「それをあの人は、おれは強盗だとりっぱに云ったわ、どうしましょう」と二十二、三の娘が云った、「あの人はみほとけのお力を見て悔悟したのよ、ああどうしましょう、あたしふるえが止らないわ」 「いきなり首ねっこを掴まれたって」とこちらで若者の一人が仕方ばなしをしていた、「まっ暗がりの道でよ、これからどこかの屋敷へ強盗に押し込もうと思って歩いてるところをよ、こう、――がっちりと首ねっこを掴まれ、叩き伏せられ、あっというまに縛りあげられたって、これは帝釈天《たいしゃくてん》か摩利支天《まりしてん》でもあらわれたんじゃねえかと思ったって」 「それが気がついて見たら地蔵さまだったってな」とべつの若者が付け加えた、「化かされたんじゃねえ、あのとおり地蔵さまが縄尻をしっかと握ってるぜ」 「あれはただの地蔵尊ではねえ」とべつのところで老婆が杖《つえ》にしがみついたまま、片手で眼をぬぐいながら云っていた、「生きているうちにこんな有難い霊験をおがめたっちゅうことも、極楽往生のできる証拠でしょう、わたしゃうちへ帰ってお布施《ふせ》を取って来ますよ」 「わたしはもうお賽銭《さいせん》はあげました」とべつの老婆が云った、「これからもわたしにできる限りは奉謝につくつもりですよ、ねえ、こんな有難い地蔵さまのためなら、裸になっても果報と云わなければなりませんからね」 「みんな自分らの罪障を思え」と一人の巨漢が絶叫した、「みほとけの力がどんなに広大無限であるか、人間の心に起こる悪徳邪欲がいかにみとおしであるかは、いまみんなが見たとおりだ、おれたちは自分を恥じ、自分を戒め、自分のなして来た罪障の赦しを乞わなければならない、さあ、この地蔵尊のために浄財を献納しよう」 「おらは背負って来た焚木《たきぎ》を寄進する」と一人の男が手をあげて叫んだ、「おらは愛宕山の奥から来た者だが、伜《せがれ》二人と焚木を六十把背負って来た、六十日がかりで束に作ったもので、帰りには女こどもの着物や帯を買ってゆくつもりだった、なにしろ二十年このかた一枚も買ったことがねえで、みんな木の葉を綴くったような物を着ているだ、けれども、おらはいますっぱりと悟っただ、そんなこの世の欲は捨てちまえ、現にこうして有難えみほとけのあらっしゃることをおがんだ以上、この世の暑さ寒さ、苦労や心配なんぞくそくらえ、枯れっ葉を綴くったような物でも着物は着物だし、粟と稗《ひえ》を食っても死ぬまでは生きられる、おらあこの六十把の焚木をそっくり寄進するだ」 「待って下さい、みなさん待って下さい」と一人の小柄で貧相な躯つきの、そして懐疑論者ふうな顔つきをした青年が、両手を高くあげて叫んでいた、「――騙されてはいけません、冷静になって下さい、この出来事にはなにかわるだくみがある、仏教というものはこんな現象的なものではありません、よく見てごらんなさい、地蔵といってもあれは石を彫った物で、人間の手で作った単なる物質にすぎません、哲学的には地蔵という概念をもっているが、実在としては唯の石です、その生命なき石に、人間を捕えたり両手を縛るなどという、物理的なことができると思いますか」 「きさまの口を塞《ふさ》げ」と痩《や》せた白髪の老人が拳を振りあげながら喚いた、「きさまはその臭い口でみほとけを汚し奉っているぞ」 「私は真理を説いているのです」と青年は叫び続けた、「私は大学寮の少属で算法を教えている者ですが、これは明らかにぺてんであり詐欺であります、なぜなら」 「そいつを黙らせろ」という絶叫が聞えた、「そいつにそれ以上しゃべらせると、みほとけはわれわれをみすててしまうぞ」 わっと人垣がどよめき、土が崩れでもするように、その青年をめがけて群衆が殺到し、たちまち青年の姿は見えなくなってしまった。――そのとき、一人の美服をまとった尊大な人物が、庭子とおぼしき若者たちを供にあらわれ、庭子の一人が東大寺の巨鐘のような声で「道をあけろ」とどなった。 「市町の長者、金住肥太《かなずみこえた》さまだ」と若者はもっと声をはりあげた、「地蔵尊のあらたかな霊験を聞かれ、勧進に付くとの仰せでまいられた、おのれらその道をあけろ」 [#6字下げ]六[#「六」は中見出し] 「夢みてえだ、これはそっくり夢みてえだ」と脛黒が云った、「金住長者のおかげて、こんな立派なお堂も建ち堂守り小屋も建った、おらたちがもし夢をみているんでなければ、こいつは恐ろしいほどでかく当てたぞ」 「むれ烏《う》なく、うるさいぞ」と濃萱が云った、「ちっと静かにしろ脛黒、そうやかましく饒舌《しゃべ》ってばかりいられては、銭勘定もできやしねえぞ」 「おらは信じねえ」と手白がうちしおれた声で云った、「まるでこれは話だ、こんなことが本当にあるもんじゃねえ、こんなことは一日も早くよさなくちゃいけねえ」 「おらのことを一生涯かかっても藁小屋《わらごや》ひとつ建てることができねえと思って生れて来たことを悔んでいるような能のない男だってくにの蟹目《かにめ》ばあさまが云ったもんだが」と脛黒は揉《も》み手をしながら云った、「みろ、おらはでかしたぞ」 「その袋をよこせ、手白」と女が云った、「銭を入れるんだからよ、おめえはそっちの山を入れろ、手っとり早くしろってばね」 「はずみ[#「はずみ」に傍点]だな、うん、すべてものごとにははずみ[#「はずみ」に傍点]ってものがある」と脛黒は首を左にかしげ右にかしげして云った。「こんどのことがうまくいったのは、あの学者づらをした大学寮とかの痩せっぽちだ、あの男が物質だとか実在とかぺてんだなんて云いだしたとき、――あのとき正直に云うとおらあ逃げだそうかと思ったもんだが、――それがおめえはずみになった、三分の二がところ疑っていた者まで、あの理屈を聞いてのぼせあがった、は、人間なんておっかしなもんよ、てめえで信じようかどうしたものかと迷ってるとき、信じちゃいけねえそれはぺてんだ、などと脇から云われると、てめえがお人好しだと云われたように思ってかっとなるらしい、あの学者づらをした痩せっぽちがどなりだしたとたん、集まっていた者ぜんぶが頭から火を噴くようにのぼせあがって、痩せっぽちを死ぬようなめ[#「め」に傍点]にあわせたし、地蔵の霊験を鵜呑《うの》みに信じこんじまった、なあ」彼はまた揉み手をした、「考えてみるに、あの男はおらたちの恩人だぞ」 「おらくにへ帰りてえ」と手白が云った。 「雁わたる、泣くんじゃないよ」と女が云った、「ようやく仕事のめど[#「めど」に傍点]がついたばかりじゃないか、ついでに脛黒に云っとくけどね、あの大学寮の少属はゆだんがならないよ」 「どうしてだね」 「あいつは毎日ここへ来るんだ、そして参詣人《さんけいにん》のうしろにたって、じっとこの地蔵堂を睨《にら》んでいるんだよ、知らねえのかい」 「知らなかった」脛黒は不安を感じたように、ぼりぼりとうしろ首を掻いた、「――本当とは思えねえがな」 「あやにかも、おめえはどう思いもしねえさ、ただ女の参詣人にみとれてるだけじゃねえか」と女宰領が云った、「あの男はいつも来ているし、なにをやりだすか知れたもんじゃねえ、なんとか考えなくっちゃいけねえよ」 「あの男はいちど死ぬようなめ[#「め」に傍点]にあわされた、あの男は懲りた筈だ」 「じゃなんのために来るのさ」 「そうさな」脛黒は暫く考えてから、「――くにの菩提寺《ぼだいじ》にいる目赤っていう坊主は、おらのことを石から蜻蛉《かげろう》が飛び立つのを見て」 「枕詞はぬきにして話せ」と女は遮った、「あの男がなぜ毎日やってくると思うんだ」 「信心だな」と脛黒は確信なげに云った、「でなければ、信心すべえかどうかって、迷って来るのかもしれねえ」 「ほんとにそう思うのかい」女は錐《きり》のような眼つきで彼をねめつけた、「大学寮なんていかがわしいところにいる人間は、そこらの百姓や人足とは違うんだよ、おめえも聞いたろうが、なにかってえば概念が滑ったとか実在が転んだとか、わけの知れねえ禁呪《まじない》みてえなことをぬかして、いちどこうと思いこんだが最後、挺《てこ》でも動かねえようながんがち頭をしているんだ、あいつが地蔵の霊験をぺてんだと思った以上、たとえ死ぬようなめ[#「め」に傍点]にあわされても、いや、ひどいめ[#「め」に傍点]にあわされればあわされるほど、もっと執念ぶかく、きちがいみたように自分の云い分をとおそうとするもんだ」 「あのちっぽけな、痩せっぽちがかね」 「でなくってなんのために毎日やって来るんだい、知れたことさ、あいつはこれがぺてんだっていう証拠を押えようとしているんだ、あいつの眼を見ればわかるよ」そして女はまた云った、「もしこの仕事にけち[#「けち」に傍点]がつくとすれば、それはあの男のためだということを覚えておきな、かまえて、あの男にゆだんするんじゃないよ、わかったかい」 脛黒は顎を摘んで、女の言葉をよく吟味するかのように、ひどくしかんだ顔つきで沈黙した。 「どうしたのさ、おれの云ったことがわからないのかい」 「云いだしたもんかどうか、さっきから踏ん切がつかねえでいるんだが」と脛黒は顎を摘んだままで云った、「それってえのがさ、あねさんはいつかこの仕事が当ったら、おらたちのどっちかと夫婦になるって」 女宰領である濃萱が眼を吊《つ》りあげて叫びだした。それはどんなに兇悪な山賊《やまだち》でもちぢみあがるだろうような、毒どくしく辛辣《しんらつ》を極めた悪罵《あくば》であったが、幸いにも脛黒や手白には言葉の意味がよく理解できないため、ちぢみあがるほどの恐怖は感じないで済んだ。 「いいから、まあいいから」と脛黒はあねさまをなだめた、「おらたちもべつにせっついてるわけじゃねえ、あねさんが忘れていせえしなけれあいいだから」 「仕事はまだめど[#「めど」に傍点]がついたばかりだ」と女は二つの袋を引寄せて云った、「当るか当らねえかはこれからのこった、おれと夫婦になりたかったらよそ見をしねえで、この仕事がおしゃかにならねえようにもっと精を出せ、仮にもおれと寐ることなんぞ考えるんじゃねえ、わかったかい」 「あい」と手白が云った。 「じゃあおらあ帰るからな」女は苧縄《おなわ》の両端で二つの袋の口を括《くく》りながら云った、「いつまで起きてねえで早く寐るんだよ、油がもってえねえから、――手白、いっておれの草履を直しな」 手白は「あい」と云って立ちあがった。濃萱は苧縄を肩に掛け、よいしょと力んで腰をあげた。二つの袋は躯の前後にずっしりとさがり、よほど重いのであろう、女の顔は血がのぼって赤くなった。 「ないしょだがね、脛黒」と女はいきんだ声をひそめて囁いた、「おれは夫婦になるならおめえだと、とっくに心できめているんだよ」 脛黒の下顎が静かに、だらっとさがった。 「ないしょだよ」と女は念を押した、「手白に云うんじゃないよ、いいね」 脛黒は声が出ないとみえ、口をあけたままで二度、三度と大きく頷いた。女は少しよろめきながら、出ていった。 [#6字下げ]七[#「七」は中見出し] 「はあー」と手白が云った、「おらどうしてもくにへ帰りてえ」 「堀へ酒飲みにいくべえ、なあ」と脛黒が云った、「賽銭の中からくすねておいただ、堀へいって一と遊びやらかして来へえ」 「酒を飲ませるとこなんかあるのかい」 「くぐつ女《め》がいるだ、知らねえのか」と脛黒が云った、「銭を持ってけば酒を飲んで、うめえ物を喰べて、きれえな女と遊べるだよ、なあ手白、二人でちょっといって来べえよ」 「だめだ、すぐあねえに勘づかれるだ」 「大丈夫だってば」 「だめだ」と溜息をついて手白は云った、「あねえはここにいなくても、おらたちの云うことすることが見とおしらしい、おらこうやってても、あねえの眼がおれのことをじっと見てい、あねえの耳がおらの云うことを聞いてるのが、ちゃんとわかるだ、おらにゃそれがちゃんと感じられるだよ」 脛黒は疑わしげに手白の顔をみつめた。 「ほれ」と云って手白は眼をつむり、漠然と空間のそこらを手で撫でた、「ここにあねえの眼が届いてる、な、ほれ、耳はここらまで来ている、それからあねえの手は」 「よせ、眼をあけろ」と脛黒は慌てて遮った、「眼をつぶってあねえのことを考えるな、おめえはともすると考えがゆきすぎる、あねえのことで頭がいっぺえだから、そんなありもしねえことを感じるんだ、おらたちもちっとは自分てものを思わなくちゃいけねえ、仕事はこんなにうまくいってるんだぜ」 「おらは信じねえ」と手白は悲しげに首を振った、「こんなことが本当にあるもんじゃねえ、こんな話が長く続くわけはねえだよ」 「そんならいっそくにへ帰れな」と云ってから、脛黒は自分の言葉のよき意味に気づき、にわかに熱のこもった調子になった、「――なあ、その、手白」と彼は唇を舐めて云った、「おめえの云うことをだんだん聞いてみると、本当にこの仕事は危なっかしいし、うっかりするととんでもねえことになりそうな気がし始めた、うん、本当のところこれは、いまのうちにくにへ帰るほうがいい分別かもしれねえぞ」 「あい、あい」と手白はうれしそうに膝をすすめた、「おめえがそう思ってくれるなら相談がしやすいだ、ひとつおらの考えを聞いてくれるか」 「おうよ、おめえがくにへ帰るんなら、なんでも相談にのるぜ」 「こうだ」手白は左手を上に向けて出し、右手の食指でその掌を突きながら云った、「おらたちは道理に合った別れかたをしなくちゃなんねえ、これが第一だ、承知か」 「文句はねえな」 「第二は儲《もう》けの分けかただが、この仕事でいちばん割の悪い役をやったのはおらだ、ぎりぎり巻きに縛りあげられ、強盗だといって人まえに恥をさらし、それでもって地蔵の霊験てえことをでっちあげた、な」 「それはわが田へ水を引きすぎるようだが、まあまるっきり理屈がねえわけでもねえかしれねえ、で、どう分ける」 「袋にした数をちゃんとかぞえといたが、銭二貫匁の袋が三百、粒銀と砂金は、十両包にした袋でそれぞれ二十五袋、米麦、豆などを売った分がおよそ五十貫匁か、な」と手白は云った、「これだけを道理に合った分けかたにすると、おらが全部を二つに分けた半分」 「おめえが全体の半分だって」 「残りの半分をあねえとおめえで分けるだ、おらそれだけの骨折りをしたし、道理に合わねえことはしねえだ、な、承知か」 「こいつは口べただと思ったら」と脛黒は脇へ向いてそっと呟いた、「どうして、とんでもねえほど達者なやつじゃねえか、こいつはよっぽど用心してかからねえと、頭の疣まで掠《さら》っていかれちまうかもしれねえぞ」それから声に出して云った、「――それはまあおめえの考えとして、第三のほうを聞くとしよう」 「それがちょっと云いにくいんだが」手白は少し羞《はにか》んで云った、「おら、くにへ帰るときに、なんだ、その、あねえをいっしょに伴れてゆくつもりで」 脛黒は片手をあげて「あ、あ、あ」と手白の言葉を押し止めた。 「そらあだめだ、その考えだけは頭の中からひん抜いて捨てるがいいだよ」 「なぜ」と手白は不審そうに眼をほそめた。 「こうなったら云っちまうが、あねえはおらと夫婦になるだ」 「おめえ知らねえだな」 「知らねえのはおめえだ」 「おめえ知らねえだ」と手白が云った、「ずっとめえにあねえは、おらと夫婦になるって約束かためてあっただよ」 脛黒は笑いだした。 「あい」と手白は云った、「あねえに訊いてみればわかるだよ」 脛黒はもっと高笑いをし、片手で手白を指さしながら「騙されてるだ」と云い、笑いの止らない苦しさのため、その手で床板を叩いてひいひいと悲鳴をあげた。しかし、やがてその笑いが切って落したように止り、口をあいたままで、じっと空間の一点を見まもった。 「そうか」と脛黒は呟いた、「ありそうなこったぞ、うん、おらにした約束を手白にしねえと考えるのは甘すぎる、これあ二人ともやられたぞ」 「二人ともなんだって」 「あねえにやられただ」と脛黒が云った、「二人ともいいようにしゃぶられただよ」 そのとき外から妻戸をけたたましく叩く者があり、「ここをあけろ」と叫ぶ声がした。 「検非違使《けびいし》の庁の者だ」とその声は云った、「ここをあけろ、すぐにあけぬと踏みやぶってくれるぞ」 「やられただな、みい」と手白が云った、「おめえの云うとおり、二人ともうまくやられたようだ」 脛黒は黙ったまま肩をすくめてみせた。 [#6字下げ]八[#「八」は中見出し] 「使庁のお役人で坂中と仰しゃれば」と女が云った、「いまをときめく佐《すけ》の殿でいらっしゃいますね」 「いや、まだ判官《ほうがん》だ」と坂中判官は云った、「佐と云ってくれてもさして間違いはない、いずれ近いうちにそうなる筈だが、いまはまだ残念ながら使庁の大尉《だいじょう》、判官にすぎない」 「お人柄ですぐにわかりますわ」女は瓶子の酒を注いでやりながら、あでやかに頬笑みかけた、「それに判官さまは坂上、中原の御両家が世襲で勤めていらしったのでしょう、あなたは御両家の姓を一つに合わせた坂中さま、お名まえの縁起も上々でございますわ」 「わたしは」と云って判官は髭を捻《ひね》った、それはまだ髭というには遠く、生毛のようなものが疎《まば》らにうっすりと伸びかかっているだけだが、彼の自負心や満足感を表明する心理的役割ははたしているようであった、「――ああ、わたしとしては」と判官は続けた、「検非違使の庁に全生涯を捧げるというつもりて、本姓の蛭田を廃し、あえて坂中を名のったようなしだいであるが、これを坂上、中原の両家に対するへつらいである、などと中傷する者があるのはまことに心外に耐えない」 「召上れな」と女はまた酒を注いだ、「世間にはろくな出世のできない人間がうようよいて、ちょっとでも才能のある人を見ると、蔭でこそこそ悪口を云うものですよ、ことにあなたのような輝かしい将来を約束された方には、中傷や蔭口が集まるのは当然ですわ、出る棒杭《ぼうぐい》は打たれる、ね、そうでしょう」 「その譬《たと》えは当っているかもしれぬ、なるほど、出る棒杭は打たれるか、――供の者はどうした」 「お供の方たちはあちらで召上ってますわ」女は酒を注ごうとして躯の重心が狂い、片手で判官の膝へ凭れかかった、「あら失礼、ごめんあそばせ」 「よしよし、あやまるには及ばぬ、柔らかい手だな」 「まあ恥ずかしい、こんな汚ない手を、どうしましょう」 「これが汚ない手なら、女御上臈《にょうごじょうろう》たちの手は百姓女のようだと云わなければなるまい、このすべすべとした肌、柔らかにすんなりと長く、青柳のように撓《しな》う指の美しさ」 「まあお上手なお口」女は判官の膝へ半身で凭れかかり、たっぷりと媚《こび》をきかせた眼で斜めに相手を見あげた、「嘘でもそんなふうに仰しゃられると、骨まで溶けてしまいそうになりますわ」 「嘘どころか、本心も本心、――供の者はどうしているか」 「さあ召上れ」女は凭れかかったままで巧みに酒を注いだ、「出世をなさる方はお酒の飲みっぷりも違いますのね、おみごとだわ」 「使庁の判官として、理由のない馳走は受けられないのだが」と云ってから、判官は急に眼がさめでもしたように、身を反《そ》らせて女を見た、「――はて、わたしはどうしてここにいるのだ」 「わたくしがお招き申したのですわ」 「招いたって、――ここはどこだ、そしてそなたはどういう身分の者だ」 「あらいやだ、またお忘れになったんですか」女は嬌《なま》めかしく睨んだ、「ここは三条西の京、紙屋川の側で、わたくしはこの家の女あるじ濃萱、もう二度も申上げましたわ」 「ふむ」判官は手の甲で横鬢《よごびん》を打った、「なるほど、濃萱というと、――思いだした、あの脛黒手白の二人と関係がある者だったな」 「それも違いました」と女は云った、「関係があるのはあの二人ではなく、坂中の判官さま、あなたとですわ」 「そなたと」と判官は女を指さし、次に自分を指さしながら反問した、「このおれとがか」 「召上れよ」女は酒を注いでやった、「気持よくお酔いになれば思いだすでしょ、あなたとわたくしはもう約束が済んでいるんですから」 「おれは棒杭であるか知れぬ」判官は腑《ふ》に落ちないというふうに頭を振った、「――棒杭であって少しつん出たがために打たれて、それで忘れっぽくなったのか知れぬ、どんな約束だっけ」 「あの地蔵さまで儲ける話よ」 「あれはぺてんだ、あれは愚民を惑わす詐欺だ、脛黒も手白もすっかり白状したぞ」 「いいじゃありませんか、いつの世だって愚民はなにか信仰せずにはいられないものですわ」と女はあまったるい声で云った、「山をおがむ者もあれば御神木だなどと云って木をおがむ者もあり、厠《かわや》にまで神さまがいるって、有難がっておがむ者さえあるんですもの、いくら愚民賤民だって、信仰の自由くらい与えてやるがいいじゃありませんか、そこまで、干渉するのは民を憐《あわ》れむお役柄にも似あわないと思いますわ」 「それは一面の理屈ではあろうが、しかしだ、明らかにぺてんだとわかっているのに」 「この世にぺてんでないものがありまして」と女は肩で判官の肩を小突いた、「道鏡禅師が太政大臣になったのはどうしてでしょう、忠仁公が親の威光なしで太政大臣になれたでしょうか、近ごろの大臣や数の外《ほか》の大臣たちで、ぺてんなしに任命された人がいくたりいると思いますか」 「慥かに、官界は腐りかけておるか知れぬ」 「あなたほど才能のあるお方が、まだ佐の殿にもなれないのはなぜでしょう」女は話をやんわりと主題へ導入した、「それは蛭田という御本姓が邪魔をしているからです、これは痛いところでしょうが、まず痛いところをはっきりさせましょう、ようございますね」 「わたしはなんにでも慣れたいと思う」 「そこで本題にはいりましょう、氏姓などというばかなことにこだわる人たちの腰を折り、あなたの前にある障害を除くには、どういう手を打ったらいいでしょうか」女はそこで声をひそめ、判官に向って暗示的に囁いた、「それはお金です」 判官はまじまじと濃萱の顔を見た。 「そう、お金ですべてが解決するのよ」と女はゆっくり頷いた、「たとえばあなたが、使庁の別当に黄金五百両を贈るとします、それで佐の殿に任命されることは間違いないでしょう」 「黄金、五百両」判官は喉《のど》を鳴らした、「それは任官はされるだろうが、わたしは判官になるために持ち銀はすっかりはたいてしまったから」 「そこで地蔵さまを使うのよ」と女はまた肩で判官の肩を小突いた、「あなたがあの二人のうすのろを出して下されば、百日と経たないうちにそれだけのお金を作ってみせますわ」 「あの二人を、牢舎《ろうや》から出すって」 「番人付きでね」と女が云った、「夜が明けたら牢から出し、日が昏れたら牢へ戻す、つまりそのあいだ二人に働かせるんですよ」 「話がそう混みいってくると頭の中で風車が廻るようなこころもちになるんだが」と判官は云った、「もう少し酒を貰おうかな」 「召上れ」と女は瓶子を持った、「どうしたらいいかは、もうちゃんと筋書ができてるの、あなたはいい気持に酔ってらっしゃればいいのよ、わかって」 「わたしはこれがぺてんの二枚がさね[#「がさね」に傍点]でなければいいがと思うだけだな」判官は片手で女を抱きながら云った、「なんてまた柔らかくって温かい肩だろう、ええ、ぺてんなんぞくそくらえだ」 [#6字下げ]九[#「九」は中見出し] 「おい、どうだこの景気は」と脛黒は犇《ひし》めいている群衆を見ながら、手白に囁いた、「ざっとめのこ算をしただけでも、四五百はくだらねえようだぞ」 「やつらは面白がっているんだ、おらは恥ずかしい」手白はきれいに剃《そ》られた坊主頭を撫で、着ている法衣の衿《えり》を掻き合せた、「この恰好を見てくれ」 「それはおらも同じことだ」脛黒もまた坊主頭を撫で、法衣の袖《そで》を直した、「どっちにしてもあねえの知恵にあかなわねえだし、現に毎日の寄進やお布施はべらぼうに殖えてるだからな、恥ずかしいぐれえは辛抱するだ」 「あれだけの人数がみんなで、おらのやりもしねえ罪業をたのしみに聞きたがってるかと思うと、あのときなぜさっさとくにへ帰らなかったか、自分で自分が悔まれてなんねえだよ」 「これ、泣き言を申すな」と壇の下から使庁の看督長《かどのおさ》が叱った、「参詣人は出揃《でそろ》ったぞ、早く始めろ」 「ただいま、ただいま」と答え、脛黒は壇の上で坐り直した、「みなさん、ようお集まり下さいました、今日もまたこの地蔵尊のありがたい霊験についてお話を致します」 「前置きはぬきだ」と群衆の中から喚く声が聞えた、「白坊主の罪の話をしろ、ぐっと面白いところを頼むぞ」 するとそれに応じて、幾十人もの男や女が騒ぎだし、使庁の役人たちが「しずまれ、しずまれ」と制止した。 「おのれらなにを騒ぐ」と看督長が壇の脇へ登って大喝した、「かたじけなくも地蔵尊の霊験について、現の証人がざんげをしようというのに、その不謹慎なざまはなにごとだ、もしまた騒ぐ者があればぶち殺すぞ」 「おい手白」と脛黒が囁いた、「あそこに例の大学寮の若い教官が来ているぞ」 「知ってる、おらあの男の眼が気にいらねえだ」と手白は囁き返した、「あの眼つきは尋常ではねえ、いまにおらたちの化けの皮をひっ剥ぐべえと思って、ひっしに隙を覘ってる眼だ」 「そう云えばおっかねえ眼つきだな」と脛黒が首をちぢめた、「ぎらぎら光ってるだぞ」 「よろしい」と看督長は群衆に向って満足そうに頷いた、「そのとおり静かに聞くんだ、いいな、――ああそれから、ざんげを聞いたら必ず寄進を忘れるなよ、寄進を忘れたようなふりをして帰るようなやつがあれば、仏罰を待つまでもなく、このおれがぶち殺してくれるぞ、わかったか」 そして脛黒に手を振ってみせ、彼は壇からおりた。脛黒は二度、三度と咳をした。 「それではお好みによって」と彼はおもむろに語りだした、「前置きはぬきにしてはじめます、この白坊主、――と申しても、かくべつ躯が白いわけではなく、手白という名の一字を取ったので、私の黒坊主も同じ趣向なのでありますが、ごらんのとおり、白坊主はいま哀れなほど従順であり温良な人間になっております、もちろんこれは地蔵尊の」と云って彼はうやうやしく合掌した、「――いやちこな霊験に浴したからであります、現に、私がこんなふうにしても怒りません」 脛黒は指で手白の頭を小突いた、「こうしても怒りません」彼は手白の耳を引張った、「また、こんなにしても怒りません、こう、こうしてもです」 「かげんしろ」と手白がむっとしたように囁いた、「痛えぞ」 「がまんしろ」と囁き返して、脛黒は手白の片腕をねじあげた、「こうしても怒らないところか顔色も変えないのです、このまえなどは裸にして鬼念仏を踊らせましたところ、一と言の反抗もせず、それはもう面白おかしく踊ったくらいてす、もしもいまみなさんが」 「よせ」と手白が吃驚して囁いた、「ばかもほどほどにぬ かせ、おら踊りなんかてんで知りもしねえぞ」 「なぜ白坊主がこんなになったか」脛黒は声を張りあげて云い、合掌した、「それはいま申したとおり地蔵尊の御加護によるものです、彼は丹波のくに狼谷という村里で生れたが、生れながらの極悪人であって、三歳のときもう実のおふくろさまをかっちゃぶきました」手白が眼を剥き、彼は続けた、「なぜかというと、乳があがってしまったので、乳の出なくなった女はもう母親ではない、というわけです、おふくろさまは仰天して、かっちゃぶかれた躯の部分を拾い集めるなり、ただ走りに走って伯耆《ほうき》の大山《だいせん》まで、息もつかずに逃げのびたということです」 群衆はふるえあがり、女性たちはみな人の背中へ隠れて、熱心に唱名念仏をした。 「五つのとしには一郷の馬を盗みました」と脛黒は続けた、「数は二百頭あまりだったが、白坊主はそれを京まで追って来て売りとばし、堀川に館を構えるやら、白拍子を八人も抱えるやら、朝から酒浸りで踊れうたえと」 「幾つだって」と群衆の一人が問いかけた、「はっきり云ってくれ、それは幾つのとしだ」 「おらは質問には答えない」脛黒は昂然《こうぜん》と云い返した、「いまは法論をしているのではなく、一人の人間にあらわれた奇蹟について語っているのだから」 「慥かにそれは奇蹟だ」と群衆の中の他の一人が喚いた、「僅か五歳のわっぱで二百頭もの馬を盗んだり、館を構えて白拍子を抱いたりするなんて、おまけに朝から酒浸りだなんて」 「黙れ、ほざくな」と看督長がまた壇の脇へとびあがって叫んだ、「おのれらはろくな布施もあげぬくせに文句ばかりぬかす、いまほざいたのはといつだ、ここへ出て来い、手足をぶち折ったうえ背中へ鉛の熱湯を注ぎこんでくれるぞ、これへ出て来い」 群衆はひっそりとなり、賽督長は脛黒に頷いて、壇の下へとおりた。 「さていま申したとおり」と脛黒は話を続けた、「そんなにも小さいとき、すでに極悪人の本性をあらわしたのだから、その後どのような悪事をかさねたかは、みなさんにも想像がつくことであろう、強盗、放火、殺人、かどわかし、ぺてん、人買い、およそ罪という罪で彼の犯さないものはこの世に一つもない、と云ってもいいでしょう、――これを詳しく話せばさぞかしみなさんを満足させ、昂奮と感動のあまり踊りだしたくなるだろうと思う、けれどもそれはまたのたのしみとして、いまは地蔵尊の霊現について話すことにする」 「さあ、文句のあるやつは云え」と看督長が機先を制して絶叫した、「うっ[#「うっ」に傍点]とでも云ってみろ、おれはきさまたちの誰かをぶち殺したくって、この腕がむずむずしているんだ、この螻蛄《けら》食いの賤民ども、さあ、うっ[#「うっ」に傍点]とでもかあ[#「かあ」に傍点]とでもほざいてみろ」 群衆はしんとしていた。 「ではいよいよ奇蹟について申上げるが、そのまえにみなさんで合掌念仏をとなえていただきたい」と脛黒は合掌しながら云った、「南無仏、一切衆生発菩提心」 群衆は云われるとおりにし、念仏の声が賑《にぎ》やかにわき起こった。 「よろしい、御信心のほどがよくあらわれていた」と脛黒が云った、「では去る四月の或る夜、ここでいかなる奇蹟が起こったか、地蔵尊のあらたかな霊験によって、一人の極悪人がいかに改悛《かいしゅん》し、いかにうるわしく生れ変ったか、という事実を申し述べましょう、さあ、うしろの方はずっと前へお詰め下さい、――では始めますぞ」 [#6字下げ]十[#「十」は中見出し] 「おめえに訊くがな、手白」と脛黒が云った、「おらたちあ人間か、それとも猿か」 「もう壇へあがるじぶんだと思うだ」 「よく聞け」脛黒は声をひそめた、「もういちど訊くがな、おらたちは人間か猿か、どっちだ」 手白は考えぶかく頭を捻った。 「おめえそれくらいのことがわからねえだか」と脛黒はひそめた声でどなった、「自分が人間か猿かという区別さえわからなくなったのか」 「あい」と手白は慎重に答えた、「おらもう、なにを信じていいか見当もつかねえだよ」 「おらたちあ人間だ」と脛黒は云った、「毛物のように這《は》いもしねえ、手に箸《はし》を持ってめしを食うし着物も着る、ものごとを考えることもできるし口もきける、泣いたり怒ったり笑ったりもする、なあ、こうかぞえてみれば歴とした人間にまちげえはねえ、そうだろう」 「あい」手白は確信なげに答えた、「おめえがそう云うなら、おらさからおうとは思わねえ、それならそうとしとくがいいだ、おらの知ったこっちゃねえだからな」 「眼をさませ」と脛黒は喉声で云った、「人間なら自分でものにめざめなくちゃいけねえ、自分がなに者であるか、いまどんなふうに生きているか、ゆくさきどう生きたらいいか、生きることに満足し幸福を感じているかどうか、なあ、人間ならこういう問題をしんけんに考えなくちゃいけねえ、そうでねえものは人間とは云えねえだよ」 「おらに、――考えろってかい」 「まず訊くが、おらたちはなにをしている」 「なにって」手白は当惑し、片手で幕の向うにある壇のほ うへ手を振った、「――だろうがよ」 「くぐつ[#「くぐつ」に傍点]に飼われてる猿だ」と脛黒は手白のその手を押えつけて云った、「おらもおめえも牢舎へ繋《つな》がれてる、よしか、夜があけると曳《ひ》き出され、ここへ伴れて来られる、よしか、そうして二人であの壇の上へ登って、地蔵さまの霊験についてざんげ[#「ざんげ」に傍点]話をする、よしか」 「おらにゃおふくろさまをかっちゃぶいた覚えはねえ」 「眼がさめかかったな、そうだとも、おめえはおふくろもかうちゃぶかねえし牛を盗んだこともねえ、極悪人どころか、おめえは天下一のお人好しだし、蟻《あり》も殺せねえほど臆病な人間だ」 「あい、おらどうやら眼がさめかかったようだ」と手白が云った、「おらあ極悪人じゃねえ」 「とんでもねえ話よ」 「だがそう云ったのはおめえだぞ」 「おらの口から出ただけさ」と脛黒はいそいで云った、「筋書はあねえが拵《こしら》え、おらはその筋書どおりに云ったまでだ、おめえもそのことは承知の筈じゃねえか」 手白はよく考えてから「あい」と頷いた。脛黒は幕の隙間から外を覗いて見、唇を舐めた。 「さあそこだ」と彼は云った、「そうやっておらたちは一日じゅうざんげ[#「ざんげ」に傍点]をして、日が昏れるとまた牢舎へ戻して繋がれる、これがおらたちのやって来たことだ、おらとおめえとで、この七十日あまりというもの、現実にここでやって来たことなんだぞ」 手白は自分の外側へぬけだして、そこから自分を眺める、といったふうな表情をした。 「それから次には参詣人だ」と脛黒は続けた、「あの大勢の参詣人たちはなにも知らず、おらとおめえのざんげ[#「ざんげ」に傍点]を鵜呑みにして、地蔵さまの功徳《くどく》に涙をながし、不相応な賽銭や供物を捧げている、ありもしねえ利生を頼みにしてよ、そうじゃねえか」 「――あい」と手白はゆっくり答えた。 「おらとおめえはこういうひどいめにあってるし、参詣人たちはなけなしの銭や供物をかたり取られている」脛黒は両手を前へ出して云った、「それで儲けてるのは誰だ」 手白は用心ぶかく黙っていた。 「おらたちと参詣人のあいだで、うまくふところを肥やしているのは誰だ」 手白はなお黙っていた。 「眼をさませ手白」と脛黒が云った、「あねえは使庁の坂中という判官とつるんでる、判官はあねえの家で毎晩のように酔いつぶれ、毎晩のようにあねえと寐ているだぞ」 手白は眼をほそめ、呼吸を止めて、脛黒の言葉の意味を理解しようとした。そしてやがて、口をそろそろとあけ、しだいに大きく眼をみひらきながら、脛黒の顔をみつめた。 「あねえが、誰と寐るだって」 「使庁の判官とよ」 「おめえでもおらでもなくかえ」 「坂中っていう判官とだ」脛黒は唆《け》しかけるように云った、「だからこそ、おらたちは牢舎から出されるだし、用が済めば伴れ戻されて繋がれるだ、あねえと判官がつるんだんでなければ、こんな芸当ができる筈はねえ、おら昨日の晩、使庁の下部《しもべ》たちが話してるのを聞いただ、あねえと判官のことを知らねえのは、おらたち二人と参指の衆だけだとよ」 「おめえ」と手白が云った、「おらのこと、騙すんじゃねえかい」 「騙されてるんだ、おらもおめえもけろっと騙されちまったんだ、いいか」と脛黒はじれったそうに云った、「いいかよく聞け、おらたちは牢舎から出され、ざんげ[#「ざんげ」に傍点]をしてまた牢舎へ戻される、――そうだ、おめえ毎日あがるあの賽銭や供物のことを考えてみろ、あの莫大《ばくだい》な寄進はいったい誰のふところへへえると思う、おらか、おめえか」 手白の眼が動かなくなり、まもなく顔ぜんたいに歪《ゆが》みがあらわれた。 「あねえの家だ」と手白は呻くように、口の中で云った、「袋にして積んだ銭も、粒銀も砂金も、なにもかも濃萱あねえの家にあるだ」 「そしてあねえは誰と寐るだ」 「判官だ、なんとかいう使庁の判官だ」 「おめえそれとわかって満足か、おめえいま幸福な気分か」 「いつだったか、おらひどく腹の立ったことがあった」と手白は云った、「古いことでよくは覚えていねえだが、ひどく腹が立ってどうにもなんねえ、もうがまんが切れたもんだから、裏へいって二十貫石を持ちあげただ」 「それをどうした」 「どうしたっておめえ、おらに二十貫石が持ちあがるわけがねえ、汗みずくになってやってみたが石は動きもしねえ、おらなおさら腹が立って肝が煮えくり返るようだから、うちへへえって寐ちまっただ」と手白はそのときを思いだすように云った、「――ふんとうに、おらがあんなに腹あ立ったのは生れてから初めてだっけだ」 「おめえ」と脛黒がさぐりを入れるように訊いた、「いまはその、どんなこころもちだ」 「そうさな」手白は片手で胸を押えてから、よく考えてみて云った、「おめえを威かすつもりはねえが、いまは三十貫石を持ちあげてえような気持らしいだ」 「おめえは眼ざめただ、それでこそおめえは人間として眼ざめただよ」と脛黒は頷いた、「大事なのはここだ、おめえははじめのころ、こんな話が本当にあるもんじゃねえ、と云った、そのとおり、これは初めからぺてんであり企んだ仕事だ、おらたちは食うためと、いつかあねえと夫婦になるのをたのしみに、今日が日まで辛抱に辛抱をかさねて来た、だがいまといういま、おらもおめえも眼ざめただ、なあ」 「あい」と手白がいさましく答えた。 「おらたちはずいぶん長いことめくらだった」と脛黒は太息《といき》をついて云った、「のちの世になってこの話を聞く者は、あんまり諄《くど》くってだらしがねえことに怒るかもしれねえ、だが、おらたちはついにしんじつに眼ざめただ、大事なのはそこよ、どんなに賢くって頭のめぐりがよくって、知恵がまわるために長者になったり、大将や大臣になる人があっても、しんじつに眼ざめなけれあ本当の人間たあ云えねえ、それはただ大臣、ただ長者、ただ大将というだけのことだ、それに比べれば、おらたちがばかみたように長い時をかけたことも、決してむだだったとは云えねえ、半刻で眼ざめるやつもあれば二十年めに眼ざめるやつもみるだろう、それにかけた時間は問題じゃねえ、人間としてしんじつに眼ざめることができるかどうか、それがなにより大事なことだ」 「あい」と手白は頷き、自分たちがしんじつ眼ざめたことの偉大さに胸をわくわくさせながら、訊いた、「それでどうするだえ」 「おらのことを死に死にかつえ[#「かつえ」に傍点]ているときでもそれを人にわかるように話すことのできねえほど理のとおらねえ口をきく男だとくにの郡院《ぐういん》の案主《あんじゅ》が云ったっけだが」と脛黒は云った、「おらあの衆にぶちまけるだよ」 「あの衆とは?」 「集まっている参詣人の衆によ」 「なにをね」 「しんじつをよ」と云って脛黒は立ちあがった、――このぺてんの初めから終りまでを残らずぶちまけて、あの衆たちにもしんじつに眼ざめるようにしてやるだ、立て手白」 そのとき看督長がはいって来た。片手の拳を頭の上で振り廻しながら、ひどくよろめき、幾たびも酒臭いおくびをした。 「こいつら、なにをしておるし看督長はもつれる舌でどなった、「参詣人どもは集まっとるぞ、この螻蛄《けら》食いの、どぶ狐の、豆ぬすっとめ、出ていって白痴《こけ》説法をぶちまくれ、はは」彼はどしんと尻もちをつき、また片手の拳で頭の上へ輪を描いた、「ははは」と彼は空虚に笑った、「白坊主に黒坊主か、うぬれどもの命もあと僅かだ、五六十日もすれば、――それも参詣人がそれまで続いてのはなしだが、それでもせえぜえ五六十日もすればこれだ」彼は片手で自分の首を叩いてみせた、「五条河原へ曳き出されて、その首をばっさり斬られるんだ、うぬれらは極悪人で、地蔵野郎のれんげえ[#「れんげえ」に傍点]は受けられるかもしれねえが、法の裁きからつん逃げるわけにあいかねえ、そんなことをすれば使庁の威勢てえものがなくなるし、われもわれもと地蔵野郎を担ぎだすやつがあらわれて、都の大路小路は地蔵だらけになっちまうだろう、とんでもねえ、そもそも検非違使の庁というものは、そういうすっとぼけたことのねえように、そんなことで万民の生命財産が損害を受けねえように、ゆだんなくこう眼をかっぴらいているのが役目だ」彼はげっぷうをし、片手を大きくひらっと振り、「はははは」と笑い、「さあ出ろ」と云った、「――出ていって地蔵野郎のれんがえ[#「れんがえ」に傍点]説法をぶちまくれ、判官どのは判官どの、おれはおれで役得を握るさ、さればこそ、賤民どもをぶち殺すと威すわけだし、おれが威せばこそれんぎい[#「れんぎい」に傍点]説法もやれるという順だ、はは」看督長はそこで仰向けにぶっ倒れた、「さあやっつけろ、あと五六十日だぞ、その首が胴に付いているうちに稼げ、説法をぶっくらわせて絞れるだけ賽銭を絞れ、あとは判官どのやおれが引受ける、心配することはねえからずでかい[#「ずでかい」に傍点]説法でぶちのめしてやれ、はは、おれはいいこころもちだ」と彼は四肢を大の字に伸ばして喚いた、「おれはすばらしくいいこころもちだ、極楽だぞ」 [#6字下げ]十一[#「十一」は中見出し] 「みなさん」と脛黒は両手をあげ、「みなさんよく聞いて下さい」と云った、「今日という今日、おらはすべての偽りやごまかしを捨てて、――ちょうどこの坊主頭と法衣をぬぎ捨てるように、すっ裸になってしんじつを話すことにしました」 「裸踊りか」と群衆の中からどなる声が聞えた、「どうせなら二人でやれ」 「念仏踊りでねえのをな」と他の声が喚きたてた、「いろっぽいのを頼むぞ」 「静かに、お静かに」脛黒は両手をあげ、厳粛に制止して云った、「これは踊りではねえです、また、裸になると云ったはこの法衣をぬぐことではなく、この」と彼は自分の胸へ手を当てた、「――この心に偽りの衣を着せねえ、つまりなにもかも隠さずに、あったことをあったままに申上げるというわけで」 「つまんねえ」と叫ぶ声がした、「いつもの極悪人をやれ、人殺し強盗、火つけかどわかし、それよりもっとあく[#「あく」に傍点]の強いところをたっぷりやれ、あったことをあったままだなんてつまんねえこったぞ」 「つまんねえ、つまんねえ」 「眼をさませ」脛黒は両手をもっと高くあげ、群衆の喚声をきびしく制止した、「人間はいつまで盲目であってはなんねえ、おらはみなの衆に眼ざめてもらいてえだ、そのためにおら今日ここに立っただ」 「おれは眼をさましてるぞ」という声が聞えた、「これ以上どう眼をさますんだ」 「この白坊主を見て下さい」脛黒は手白を指さして云った、「これまでおらは、この男を極悪人だと話して来た、だがそれは根も葉もない、まるっきりの嘘っぱちだ、ということをまず申上げたいのです」 群衆はううううと唸《うな》り、呶声《どせい》をあげ、不満と怒りのためにどよめいた。 「眼ざめなさい」脛黒はそのどよめきを凌《しの》ぐ声で叫んだ、「しんじつに眼をみひらきなさい、この地蔵さま、この石で彫った地蔵はただ石で彫った地蔵というだけにすぎねえです、そこにいるおめえさまがおめえさまであり、そっちにいるおめえさまがおめえさま自身であり、こっちにいるそこのばあさまがばあさまであるように、この地蔵も石の地蔵だというほかになんの意味もねえし、霊現なんてことは嘘にもできやしねえです」 「やい黙れ」と群衆の中から叫び声が起こった、「てめえなにを云いだすんだ」 「しんじつをです」脛黒は叫び返した、「おらたちは騙され、ぺてんにかけられてるだ、この白坊主を縛ったのは地蔵じゃねえ、このおらがやったことです、濃萱という女宰領に唆されて、おらが白坊主を縛り、そして地蔵の霊験ばなしをでっちあげただ、これが正真正銘、嘘偽りのねえしんじつだっただ」 「それは嘘だ」と叫んで前へとびだして来た青年があった、「きさまは地蔵尊の霊験というおごそかな事実を潰し、自分自身を地獄の火で焼こうとしているんだぞ」 「あれ、おめえは」脛黒は眼を剥いた、「おめえさまはいつかの、あの大学寮の」 「いかにも、大学寮の少属で算法を教えている者だ」とその青年は云った、「私は初めは疑っていた、実在としては石にすぎない物が、霊験などという奇蹟を行えるわけはない、すべてごまかしでありぺてんだと云った、だが毎日かよって来ているうちに、私の考えが誤りであることを悟ったのだ、南無仏」青年は合掌三拝をして続けた、「――どう誤っていたか、それは私の悟性が足らなかったからである、物質とはいったいなんであるか、われわれ人間は物質ではないのか、実在として石であることと、哲学的概念としての地蔵とをどこで分離するか、血と肉と骨で成り立っている人間を、血と肉と骨との集合体にすぎないと云えるか、集合体にすぎないから物理的な能力はないと立証できるか」 「そいつもぺてん師だ」と群衆が喚きだした、「白坊主黒坊主と組んで地蔵さまに悪口をついてるだ、三人ともやっつけろ」 「待て、私はいま、痛い」青年は頭を押えながらきいきい声で叫んだ、「石などを投げないで聞いて下さい、私はいまみなさんに代って、霊験の哲学的意義を、痛い」 「おらはしんじつを」 「逃げるだ」手白が脛黒の腕を引きながら云った、「早く逃げるだ」 「あの衆を眼ざめさせねえでか」 「殺されちまうぞ」手白は脛黒を抱えるようにして壇からとびおりた、「こっちがいい、いそげ」 「おちついて下さい」と青年は叫んでいた、「私は地蔵尊のいやちこな霊験を、痛い、なにをする、袖を引張るな、私は、こ、押すな」 「そのぺてん師をやっつけろ」群衆は雪崩のように襲いかかった、「白坊主と黒坊主が逃げたぞ、ひっ捉まえて三人とも木の股《また》へ吊しあげろ、八つ裂きにしてしまえ」 「よせ、私はみんなの味方だ」群衆の揉みあう中から青年の悲鳴が聞えた、「私はいま死ぬようなめにあわされてる、助けてくれ」 [#6字下げ]十二[#「十二」は中見出し] 「もう大丈夫だろう、少し休もう」と脛黒が云った、「おめえけが[#「けが」に傍点]はなかったか」 「あい」手白は喘いだ、「くたびれた」 「ここへ掛けよう、ああ、ひでえめにあったな、心の臓がこんなだ」と脛黒が喘ぎながら云った、「なんていうきちげえどもだろう」 「おら殺されるかと思った」 「なんていうばか者だろう」と云って脛黒は唸った、「あいつらの頭の中がどんなからくりになってるか、いっぺん見てみてえくらいだ」 「おらくにへ帰りてえ」 「おらのことを親だからといってどうして伜が孝行しなけれあなんねえかっていうことさえわからねえほど理にうとい[#「うとい」に傍点]人間だってくにの新家のばあさまが云ったっけだが」と脛黒が云った、「そのとおりだな」 手白が「あい」と云った。 「おらみんなのためにしんじつを話した」と脛黒は続けた、「するとあいつらは怒りだした、なあ、あいつらは怒りだしただ、そこがおらにゃわからねえ」 「あの大学寮の人もな、あい」 「あの大学寮の人もよ」と脛黒は頷いた、「おらたちが霊験だあ奇蹟だあって、嘘で固めたことを饒舌ってるうちは、あいつらは手を合わせて拝んだり、有難がって泣いたり、そうしてありもしねえ物を根こそぎ寄進したりした、なあ、そのときこそあいつらは怒ってもよし、石を投げつけてもいい筈だ、どんなにされてもおらたちとしちゃ文句のつけようがねえところだ、そうじゃねえか」 「あい」と手白は確信なげに頷いた。 「それをおめえ、――あの大学寮の人がなにを云ったかはてんでわからねえ、神さまでもわかるめえと思うだが、――それをおめえ、おらが本当のことをぶちまけ、なにもかもぺてんで嘘っぱちだと話したらあの騒ぎだ」 「大学寮の人が先達《せんだつ》よ」 「わかんねえ」と脛黒は考え深く首を振った、「やつらはあの人のこともやっつけた、そうしてみるとあの人も、あの人の流儀でしんじつに眼ざめたのかもしれねえ」 「あい」と手白が云った、「眼ざめるってことは危ねえもんだ」 「もう一つ解《げ》せねえのは濃萱だ」と脛黒は話をそらした、「これまでやって来たどの仕事も、張本人はあねえだった」 「あい」と云って手白は眼をつむった、「あのあねえ」 「それなのにあねえは追われも打ち打擲《ちょうちゃく》もされず、おらたちばかりが難儀なめにあわされた、番たびがそうだった」脛黒は拳で自分の膝を殴った、「これはどういうことだ」 「ああ」と眼をつむったままで、うっとりと手白は呟いていた、「あの柔らかく、あたたかそうな肌」 「こんども同じ伝だ」と脛黒は続けた、「おらたちはこんなめにあわされたが、あねえはいまごろ判官をまるめてよろしくやってるだろう、儲けた銭金を積みあげて、美味《うま》い物を喰べ放題、飲みてえだけ酒をくらい酔って、――おい手白、あれを聞け」 「黙っててくれ」と手白は恍惚《こうこつ》の中で微笑した、「ああ見えるぞ、――ころも干すまた野の奥にむら立ちて」 「よせ、眼をあけろ」脛黒は手白を見て、吃驚してどなった、「そんな物を見るな、眼をあけろ、眼をつむったままであねえのことを考えるな、ゆきすぎになるぞ」 「あい」と手白は眼をあけて云った、「おら京へ戻る」 「あの声を聞け、こっちへ来る」脛黒は足踏みをした、「追手だぞ」 「おら都へ戻る、あねえが判官とうまくやってるなんて思うと」 「判官はうまくやれやしねえ、あねえにうまくやられるだ」と脛黒は叫んだ、「おらたちの代りに、こんどは判官がうまくやられるだよ」 「じゃあ、おらたちはどうする」 「逃げてっからのこった」脛黒は手白を力ずくで立たせた、「捉まると五条河原で首をやられるだ、みろ、やつらは近づいて来るぞ」 「おらあねえに気が残るだ」 「逃げるだ、逃げるだ、逃げるだ」 「萱こそ茂れ」と手白が云った、「おらああれが恨みだ」 そして二人は走りだした。 底本:「山本周五郎全集第十三巻 彦左衛門外記・平安喜遊集」新潮社 1983(昭和58)年3月25日 発行 底本の親本:「別冊文藝春秋」 1961(昭和36)年3月 初出:「別冊文藝春秋」 1961(昭和36)年3月 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
https://w.atwiki.jp/oreshika_psp/pages/84.html
大江山 マップ構造 戦利品 宝箱 鬼録 ボス攻略痩せ仁王・太り仁王 石猿田衛門 朱点童子 十一月と十二月の二ヶ月間行く事ができる。 雪が降っているので属性武器を含む火属性の攻撃威力が下がる。該当者は別の属性か無属性の武器を持っていこう。 序盤から紅こべ大将が待ち構えており、全体的に強敵が多い。 迷宮自体はさほど長くはないが、マップが広い割に敵がまばらなため、速風の御守を持参したい。 敵からも宝箱からも有用なアイテムが得られるので、回収目的に出陣しても良いだろう。 一合目は安心安全の狩場。連戦効率を上げたい場合は引波のお守りを持参しよう。 二合目からは強敵の夜叉が出る。1年目に遭遇した場合は難攻必至。裏返しの符が有効。 三合目は太鼓持ちが出現する確率が高い。初陣ながらボスに挑みたい場合等、戦勝点稼ぎに利用できる。 四合目ではお雫を、五合目では火竜、双火竜、ネギの大槌を狙える。 大江京朱雀大路2には時登りの笛を落とす崇奈鳥大将が出る。 落とす確率はそこそこ高いので、うまくやれば半永久的に稼ぐことができる。 石猿田衛門は凶悪な性能を誇る竜神刀を持っている。 非常に落とす確率は低いが、時登りの笛で狂乱の赤い火を出せば簡単に手に入る。 中ボス戦も2回ある為、時間はかかるだろう。速瀬や陽炎・くららなど移動時に上手く術を使おう。 ボスの朱点童子を倒すと後半に突入。 ダンジョン内の敵が大幅強化され、お手軽に戦勝点稼ぎができなくなる。 一族がギリギリ朱点を倒せる程度だと後半の序盤が非常に苦しくなり、最悪詰む。 力押しで圧倒できるくらいの力を持たせておきたい。 なお後半では裏京都になるまで大江山に入れなくなる。 マップ構造 詳細なマップ図はこちら 大江山 一~五、終号目 二、三、四合目にそれぞれ宝箱が4つ 大江山仁王門 ボス戦:痩せ仁王・太り仁王 大江京朱雀大路、呪殺の碑 敵が密集しているので注意 朱点閣去る橋 ボス戦:石猿田衛門 朱点閣 ボス戦:朱点童子 戦利品 赤字は術の巻物、青色は職の指南書、黄色は唯一品。取得後は★になる。 取得金はどっぷりモードのもの。 大将 鬼 スロット 封印神/備考 大江山 一合目 紅こべ大将 鬼ワラ 木霊の弓・火竜・足軽の腹当・赤はちがね80両・有寿ノ宝鏡・★・10両 幽鬼 サンカの槌・クスの胴丸・太刀風・若葉ノ丸薬120両・★・30両・★ 鬼ワラ・幽鬼山ワラ モモタ弓・野分・ネギの大槌・狩人頭巾嵐火の符・★・70両・36両 大江山 二合目 紅こべ大将 幽鬼 サンカの槌・クスの胴丸・太刀風・若葉ノ丸薬120両・★・30両・★ 鬼ワラ・幽鬼山ワラ モモタ弓・野分・ネギの大槌・狩人頭巾嵐火の符・★・70両・36両 山ワラ 斬馬刀・鎖かたびら・赤羽根の兜・マビサシ兜白雪の小袖・若葉ノ丸薬・★・20両 夜叉 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ なまはげ 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ 夜叉・幽鬼 紅涙弾・音無しの弓・縄かたびら・串刺しの槍320両・有寿ノ宝鏡・お雫・40両 太鼓持ち 4000両・2000両・1000両・400両200両・100両・40両・20両 大江山 三合目 紅こべ大将 鬼ワラ・幽鬼山ワラ モモタ弓・野分・ネギの大槌・狩人頭巾嵐火の符・★・70両・36両 夜叉 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ なまはげ 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ 太鼓持ち 4000両・2000両・1000両・400両200両・100両・40両・20両 夜叉 音無しの弓・お地母・石綿の着物・常盤ノ秘薬嵐火の符・180両・お雫・44両 なまはげ・太鼓持ち 音無しの弓・お地母・石綿の着物・常盤ノ秘薬嵐火の符・180両・お雫・44両 大江山 四合目 紅こべ大将 夜叉 音無しの弓・お地母・石綿の着物・常盤ノ秘薬嵐火の符・180両・お雫・44両 なまはげ・太鼓持ち 音無しの弓・お地母・石綿の着物・常盤ノ秘薬嵐火の符・180両・お雫・44両 幽鬼・鬼ワラ 紅涙弾・音無しの弓・縄かたびら・串刺しの槍320両・有寿ノ宝鏡・お雫・40両 幽鬼・鬼ワラ山ワラ 紅涙弾・音無しの弓・縄かたびら・串刺しの槍320両・有寿ノ宝鏡・お雫・40両 悪羅大将 夜叉 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ なまはげ 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ 大江山 五合目 悪羅大将 夜叉 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ なまはげ 高鷲ノ弓・土々呂・マビサシ兜・お雫200両・★・50両・★ 無間童子 みそぎの剣・双火竜・赤はちがね・常盤ノ秘薬火竜・200両・100両・50両 野辺送り ネギの大槌・魂託し・鹿皮の腰巻・赤はちがね★・220両・110両・56両 野辺送り・無間童子 ネギの大槌・魂託し・鹿皮の腰巻・赤はちがね★・220両・110両・56両 大江山 終合目 悪羅大将 無間童子 みそぎの剣・双火竜・赤はちがね・常盤ノ秘薬火竜・200両・100両・50両 野辺送り ネギの大槌・魂託し・鹿皮の腰巻・赤はちがね★・220両・110両・56両 金棒鬼 名刀長船・紫電の長刀・片葉の剣・野分常盤ノ秘薬・★・120両・58両 金棒鬼・無間童子 相輪の鋒・芭蕉嵐・足軽の腹当・炎風の符520両・お地母・有寿ノ宝鏡・62両 金棒鬼・野辺送り 相輪の鋒・芭蕉嵐・足軽の腹当・炎風の符520両・お地母・有寿ノ宝鏡・62両 斬馬鬼 竹尺八花入・雷電・クスの胴丸・銀糸の襦袢240両・太刀風・常盤ノ秘薬・60両 斬馬鬼・金棒鬼 ★・★・★・1000両1000両・★・★・★ 大江山仁王門 痩せ仁王太り仁王 トンクイ筒・タタラ槌・開門の槌・時登りの笛雷太鼓の符・炎風の符・嵐火の符・100両 大江京朱雀大路(1) 悪羅大将 金棒鬼・無間童子 相輪の鋒・芭蕉嵐・足軽の腹当・炎風の符520両・お地母・有寿ノ宝鏡・62両 金棒鬼・野辺送り 相輪の鋒・芭蕉嵐・足軽の腹当・炎風の符520両・お地母・有寿ノ宝鏡・62両 斬馬鬼・金棒鬼 ★・★・★・1000両1000両・★・★・★ 崇奈鳥大将 百面鬼 開門の槌・血火弾・イラカの衣・赤羽根の兜土々呂・320両・160両・84両 呪殺の碑 崇奈鳥大将 百面鬼 開門の槌・血火弾・イラカの衣・赤羽根の兜土々呂・320両・160両・84両 亡者姫 絶倫体水乳・強壮技水薬・串刺しの槍・れんげ錦赤はちがね・300両・紅涙弾・78両 亡者姫・百面鬼 象牙の槍・剛鉄弓・白雪の小袖・芭蕉嵐綿津見の符・お地母・200両・雷電 ウサン 与謝ノ弓・天神の弓・剛鉄弓・破魔の弓モモタ弓・音無しの弓・初陣の弓・折れた弓 大江京朱雀大路(2) 崇奈鳥大将 亡者姫・人柱 象牙の槍・剛鉄弓・白雪の小袖・芭蕉嵐綿津見の符・お地母・200両・雷電 亡者姫・ウサン 象牙の槍・剛鉄弓・白雪の小袖・芭蕉嵐綿津見の符・お地母・200両・雷電 人柱 井戸茶碗・印虎姫・クスの胴丸・マビサシ兜雷電・常盤ノ秘薬・お地母・90両 百面鬼・人柱 よなか花入・牛頭丸・若竹の胴丸・朱ノ首輪時登りの笛・440両・暴れ石・110両 虚空坊岩鼻(崇奈鳥大将) 百面鬼・ウサン よなか花入・牛頭丸・若竹の胴丸・朱ノ首輪時登りの笛・440両・暴れ石・110両 百面鬼・人柱ウサン よなか花入・牛頭丸・若竹の胴丸・朱ノ首輪時登りの笛・440両・暴れ石・110両 朱点閣去る橋 石猿田衛門 竜神刀・輪法寺茶碗・石猿・朱ノ首輪ヒグマ殺し・片鎌八角槍・祖霊丹・400両 石猿田衛門 朱点閣 朱点童子 法輪寺茶碗・絶倫体水乳・天竺茶碗・2500両養老水・祖霊丹・1000両 宝箱 場所 宝物 罠 三合目 常磐ノ秘薬・裏返しの符・結界印・雷太鼓の符薫風ノ腕輪・黄ノ指輪・緑ノ指輪・彩雲ノ勲章 暗闇・召喚 四合目 常磐ノ秘薬・結界印・水立の御守・雷太鼓の符綿津見の符・疾風ノ腕輪・金ノ勲章・碧ノ勲章 混乱・召喚 五合目 強壮技風薬・強壮技水薬・強壮技火薬・強壮技土薬強壮体風薬・強壮体土薬 暗闇・混乱・召喚 鬼録 ※体力と戦勝点はどっぷりモード時の値 名前 ヨミ 体力 技力 攻撃 防御 敏速 戦勝 備考 紅こべ大将 べニコべタイショウ 280 8 165 250 170 12 地鳴り 鬼ワラ オニワラ 90 0 40 60 70 1 幽鬼 ユウキ 160 5 185 160 250 6 風祭り 山ワラ ヤマワラ 200 0 240 230 200 8 夜叉 ヤシャ 450 9 360 260 330 30 花乱火 太鼓持ち タイコモチ 300 12 90 400 600 100 泉源氏、武人 なまはげ ナマハゲ 560 15 340 280 340 38 雷電、血火弾 悪羅大将 アクラタイショウ 470 8 280 260 300 40 お雫 無間童子 ムゲンドウジ 220 29 280 300 240 14 お地母、白浪 野辺送り ノベオクリ 330 22 240 240 250 33 夏狂乱、お焔 金棒鬼 カナボウオニ 320 0 350 260 300 33 斬馬鬼 ザンバキ 340 37 270 300 300 37 太刀風、芭蕉風 祟奈鳥大将 スナドリタイショウ 430 45 320 310 600 50 太刀風 亡者姫 モウジャヒメ 300 0 180 600 250 24 百面鬼 ヒャクメンキ 250 17 270 280 330 15 光無し、白鏡 ウサン ウサン 300 15 250 400 380 16 お雫、風祭り 人柱 ヒトバシラ 250 22 230 280 240 17 土々呂 痩せ仁王 ヤセ二オウ 400 25 300 300 400 120 光無し、みどろ 太り仁王 フトリニオウ 450 45 350 350 250 120 お地母、夢子 石猿田衛門 イシザルデンエモン 1000 24 380 350 400 350 石猿、暴れ石 朱点童子 シュテンドウジ 1600 50 400 420 500 800 円子 ボス攻略 痩せ仁王・太り仁王 痩せ仁王HP 400 技力25 戦勝120 光無し みどろ 列攻撃 太り仁王HP 450 技力45 戦勝120 お地母 夢子 特筆すべき点はない平凡な中ボスだが痩せ仁王が敏速400に比例して回避も高く、 一族が十分に強くとも当たりづらい上に太り仁王の夢子で命中を下げられると長期戦になる。 前後に配置しているため、槍使いがいると少ない手数で倒せる。 石猿田衛門 HP 1000 技力24 戦勝350 戦輪投げ 列攻撃 石猿 暴れ石 石猿で防御力を100程度上げてくるが技力が少ないためあまり気にする必要はない。 単体攻撃だが投げ輪がそこそこ威力ある事に注意、列攻撃の剣も侮れない威力の中ボスその2 二度目の戦闘or朱点童子撃破で解放となるためここで竜神刀や石猿の巻物が欲しい場合は注意。 朱点童子 HP 1600 技力50 戦勝800 力溜め 臭い息 尻で攻撃(列攻撃) 円子 山場を担当するボスだけはあり力溜め後の攻撃など強力な攻撃が多く 臭い息の全体攻撃力減少も凄まじい。最も恐ろしいのは一列に250~300ダメージの尻攻撃 見た目に反して敏速も500と高く連続で使用してくることもあり死人が出たり敗走まである。 尻攻撃は列を分け、臭い息は攻撃担当者に武人等の重ね掛けor術で攻めることで対策できるが 術耐性も概ね高く水耐性が若干低めなものの強力な水術がこの時点では存在しない。 体力を半分程度まで削ると円子を使い始め400程度回復するようになり5回まで使用できるため 円子を確認したら併せや総攻撃で一気に沈めてしまいたい。 なお討伐時に付く継承刀の福効果候補は、 「1/4の確率で相手に毒」(1/16)、 「攻撃属性 火」(2/16)、 「成長時に体の水+1~4」(4/16)、 「会心率UP(大)」(9/16)と、 一番欲しい会心率UPが付く確率がかなり高くなっている。運が悪くなければ付くことが多いので、 討伐時には是非継承刀を持っていきたい。 全てが回避可能な攻撃だが結界印・陽炎の弱体によりこれらの使用による安定撃破は見込めなくなった。 初代当主撃破など、一部のプレイ難易度は大幅に上がったと言える。 大江山の時登りに魅了されて山に封印されました。これは罠だ 攻撃力620越えで天狗一撃Kill可能、これが4人いたら炎1つで10戦位可能 上記PTで1211戦中199に笛確認、内52笛HIT、その間に30本笛使用 最大124戦HITしないことがあったので3本くらいは持参したら安定しそう -- (名無しさん) 2011-12-18 06 19 07 時登り持ちは他の個体より羽ばたく速度が速いので、 陽炎を使用することで容易に特定できる。 -- (名無しさん) 2013-01-13 16 14 26 三合目で太鼓持ちが出現する確率は低いです -- (名無しさん) 2014-05-14 20 10 28 ―裏大江山で入手できないアイテム― 斬馬刀 みそぎの剣 片葉の剣 名刀長船 竜神刀(田衛門) 紫電の薙刀 相輪ノ鋒 折れた弓 初陣の弓 木霊の弓 高鷲ノ弓 モモタ弓 音無しの弓 破魔の弓 剛鉄弓 天神の弓 与謝ノ弓 串刺しの槍 象牙の槍 片鎌八角槍(田衛門) ヒグマ殺し(田衛門) サンカの槌 ネギの大槌 開門の槌(仁王) タタラ槌(仁王) 縄かたびら 石綿の着物 イラカの衣 銀糸の襦袢 足軽の腹当 れんげ錦 クスの胴丸 白雪の小袖 鎖かたびら 若竹の胴丸 鹿皮の腹巻 狩人頭巾 赤はちがね 赤羽根の兜 マビサシ兜 ※装飾品は全て宝箱入手なので省略 -- (収集プレイの参考にしてください) 2015-01-05 00 05 10 裏大江山では一物茶碗以外の全ての名品珍品が入手可能であり、 収集率100%(99%)達成のために後半で全て入手することになるが、 せっかくなのでスロットアイテムは列挙しておく。 竹尺八花入 井戸茶碗 よなか花入 トンクイ筒(仁王) 輪法寺茶碗(田衛門) 法輪寺茶碗(朱点) 裏大江山では術の巻物は一つも取得できない。 また、大江山の巻物は全てが他のダンジョンで入手可能になっている。 巻物の入手状況を気にする場合は注意。 -- (収集プレイの参考にしてください) 2015-01-05 00 18 08 ↑のスロット名品に天竺茶碗(朱点)が抜けてました ※アイテム収集における留意点※ ・時登りの笛集め 前半の低入手率アイテムを獲得する原動力となる。 攻略説明を参考にして崇奈鳥大将を見分けつつじゃんじゃん狩ろう。 なお、上のwikiの説明は間違っており、笛が出る確率は青火でもそんなに変わらない。 むしろ、赤火よりも青火の方が出やすいぐらいである。 ・石猿田衛門 解放条件の関係で戦闘のチャンスがたった二回しかない中ボス。 入手率100%(99%)を目指す場合は最低でも 竜神刀、片鎌八角槍、ヒグマ殺しの三つは取らなければならない。 さらに、術の「石猿」は大江山ではここでしか取れないため巻物も気にする場合は注意。 (あと、宝物項目に関わるのは輪法寺茶碗があるがこれは裏で取るべし) その四つを狙う場合はスロット配置の関係から 一回目に青火で挑み、片鎌八角槍とヒグマ殺しの二つを入手し、 二回目に赤火で挑み、竜神刀と石猿、そして朱の首輪を集める流れが もっとも成功の公算が高いと思われる。 なお、悲しいことに石猿は忘我流水道でも入手可能なため 巻物項目まで気にする人は自ずとすぐさま捨てることになる。 十二月の終わりに討伐して時間切れで捨てられないという事態は避けたいところ。 ・朱点童子 一度きりの戦闘であるが、アイテムスロットのうち宝物項目にかかわるのは 法輪寺茶碗と天竺茶碗の二つだけであり、どちらも入手率100%を目指すなら 裏大江山で取ることになるためアイテム収集の意味では存外あっさりしている。 どちらかといえば重要なのはこいつが後半突入のトリガーであるという事実である。 後半仕様になる前に、これまで見直すことも少なかっただろう 装飾品や薬、その他の道具も含め、前半で手に入れるべきアイテムを 総確認しよう。 なお、五割以上の確率で継承刀に会心率アップ(大)が付くので狙うのもオススメ。 -- (収集プレイの参考にしてください) 2015-01-05 01 14 23 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/12347.html
このページはこちらに移転しました 地蔵 作詞/528スレ253 地蔵にフォーティー万円 インフルエンザが蔓延 ソ連型かい? えー、ソ連型です けったいな話やで 香港型かい? えー、香港型です けったいな話やで オー、フルーティー
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/1244.html
地蔵 亜美 地蔵亜美(じぞう あみ)がデザインされたカード群。コンビを除くと1種類のみ存在する。 御伽学園高等部2年生。宇佐見のクラスメイトでクラス委員長。 美少女ではあるが、男は極端に苦手。肌をさらすことに強い羞恥心を持つ。 モチーフは「笠地蔵」。 声優は高橋美佳子。 カード一覧 《地蔵 亜美(032)》 コンビ 《大神 涼子&地蔵 亜美(049)》 関連項目 『オオカミさんと七人の仲間たち』 大神 涼子 宇佐見 美々 小山 柚子 編集